マンションとかアパートを持ってたら家賃収入で悠々自適な生活ができるのになぁ。最近は金利も低いし、投資用にマンションを買ってマンション経営でも始めようかな。
そうね。私には小さな子どもがいるから、そういう収入があると生活が楽なのよね。でも、ローんを組んでまでマンションを買って、ちゃんと儲かるのかしら。
最近は老後の資金や副業でマンション経営をする人が増えたね。儲かっている人が多くいるのは事実だよ。でもそのためには、どこに物件を買うか、マンションにするかアパートにするか、利回りをどれくらいにするかなど、考慮することがたくさんあるんだよ。
今回はアパート・マンション経営の概要を説明するね。
マンション経営・アパート経営とは
アパート・マンション経営とは、自宅以外にアパートやマンションを投資用として購入し、第三者に貸し出すことで収入を得て利益を上げることです。
また、購入した物件を高値で売却できれば、購入額との差額が収入となります。
物件数を多く持つことで、収入が増えるので本業にしている人も多く見受けられます。
また、副業にしている人は、家賃の集金や入居に関する業務は管理会社に委託することができるため、自分でトラブルなどの処理をする必要がないので、手軽に始めることができます。
エリアによっては、人気・不人気がありますが、家賃相場と賃貸需要を考えた上で物件を購入すれば、十分な収入を得ることができます。
マンション経営の市場や需要、今後の展望
マンション経営・アパート経営で気になる点は今後の需要のあり方でしょう。
人口は減少傾向にあるのに、マンション経営・アパート経営は成り立っていくのでしょうか。確かに人口は国内全体では減少していますが、都市部地方では状況がかなり異なっています。
2014年3月現在の都道府県別の人口の動きでは、東京や大阪、福岡など、都市部の人口が増加傾向にあるのです。
政令市などでは個別に将来人口推計を細かく計測していますので、東京、神奈川、福岡などの人口増加地区では、今後も不動産需要は一定の水準で推移していくことが見込まれます。
将来人口推計は人口問題研究所のホームページで確認できますが、個別の地区の詳しい内容は市町村のホームページを確認した方がいいでしょう。
また、近年は海外からの旅行者が増え、日本でのビジネスチャンスが外国人にも浸透してきています。長期滞在する外国人も急増してきており、都市部近辺のマンションやアパートの需要も高まっているのです。
日本全体での需要は見込めませんが、一定の地域では供給不足の状態もあり、今後もアパート・マンション経営は成り立つビジネスだと考えます。
必要なスキル
アパート・マンション経営を始める前には、不動産知識や投資・税金の知識が必要となってきます。
中でも自分で不動産の売買をはじめ、賃貸物件の仲介にも関係する「宅建」はアパート・マンション経営をする上で重要な資格といえるでしょう。
また、家賃相場や入居者動向を調査するためのデータ収集能力も不可欠です。その他にも、アパート・マンション経営に役立つ「マンション管理士」といった資格も役立ってきます。
収入・利回りについて
アパート・マンション経営をする前に、基本となる収入と支出のシュミレーションを考えなければいけません。
家賃収入は所有する物件の所在地や築年数・状態によって大きく変わります。また、エリアによっても相場が異なります。
物件購入後、相場どおりの家賃が常に得られる保証はありませんし、「空室」の期間は収入は「ゼロ」になってしまいます。家賃と需要は収入を考える上で重要な事項になります。
また、不動産収益を考える上で重要なのが「利回り」という指標です。
これは購入価格に対して、年間にどのくらい収益が上がっていくのかというもので、大きいほど収益が高くなります。
利回りにはいくつか計算の方法がありますが、ここでは最も単純で重要な「表面利回り」と「実質利回り」について説明します。
表面利回りについて
アパートやマンションの購入価格と年間の家賃収入の大まかな利回りになります。
利回り = 年間家賃収入 ÷ 購入した物件の価格
例えば、5,000万円の物件で年間に500万円の家賃収入があれば、10%の利回りということになります。
不動産投資において利回りというと基本的にはこの表面利回りになります。
実質利回りについて
年間家賃収入を得るためには一定の経費がかかってきます。
経費には、管理費、修繕費、火災保険料、修繕積立金、固定資産税、不動産会社にかかる費用などがあり、家賃から差し引いて考えます。
利回り = (年間家賃収入 − 経費) ÷ 購入した物件の価格
例えば、5,000万円の物件で年間に500万円の家賃収入で経費が300万円であれば、
利回り = (500万円 − 300万円) ÷ 5,000万円 = 4% となります。
利回りの平均はどれくらい?
地域によって利回りも異なってきます。需要の高い都心でも表面利回りが10%を切ることが多くなってきました。
平均で8%程度とも言われています。実質利回りはさらに低くなりますので、十分に意識して物件を選ばないといけません。
アパート・マンション経営の年収は?
アパートオーナーの年収とは
物件の数が多いほど収益を得られるわけで、平均年収といったものは算定するのが難しいです。
仮にアパート1棟を経営するとしても、地域によって収入が大きく異なってきます。
例えば、都市近郊の平均家賃7万円で10室あるアパート経営を想定すると、満室で月収入が70万円、年間で計算すると840万円になります。
これに対して、上記の例で支出をみてみます。物件をローンで購入したケースでは、各種費用を計上した場合、家賃の50%から80%程度の支出を考えなければいけません。そのため、家賃の50%にあたる月35,000円が支出にあたりますので、10部屋年間で420万円が手元に残ることになります。
マンションオーナー年収
マンション経営の場合、一部屋の価格が高いことから、一部屋でマンション経営をしている人が多くいます。
ある程度の家賃が取れて、入居状態を確保できればいいのですが、その一部屋が空室になってしまうと収入はゼロとなるためリスクがあります。
部屋数が少ない分、収入と支出のバランスがうまくいかなければ安定した収入は見込めません。
1部屋の家賃収入が仮に、10万円としても、ローンの支払いや発生する費用および税金を考えると、月の収入は5万円以下になり年収換算で数十万円といったケースもあるのです。
収益を増加させる方法
マンション・アパート経営で収入を大きくするためには、保有する物件を一つでも多くすることです。
物件を増やすことで、空室になった場合のリスクを分散させることができます。例えば10室を保有していれば、常に2部屋は空室であることを想定した経営計画を立てることができ、安定した収益を実現することも可能となります。
1室しか保有していなければ、1かゼロになってしまいますので、計画もなにもありません。
物件数が多ければ銀行からの融資も楽になる
物件を取得するためには、金融機関から借り入れをすることが一般的ですが、投資用不動産を目的とした融資を受ける際には、自己資金を多く用意しなければ、審査は難しいといわれています。
金融機関としても、安全なところに融資するのが当たり前だからです。
しかし、最初の1棟の返済が滞りなく行われていれば、それが経験値となり2棟目からのハードルは確実に下がります。
マンション・アパート経営の実績を増やすことで、金融機関の印象も良くなり融資も受けやすくなります。何よりも資産が増えることになるので、多額の自己資金投入の必要性がなくなるのです。
具体的な仕事内容・始め方
では、マンション・アパート経営の具体的な流れついて触れていきます。
物件のリサーチ
マンション・アパート経営を始める際には、取得予定の物件周囲を事前に調べておくことが重要です。土地や建物の価値あるいは将来性が見込めるのか、環境や人の流れを知ることも大切です。
ご自分が住むことを前提に考えできるだけ多角的に調査しましょう。または、他人の意見を聞いて客観的に評価することもポインです。
収入のシュミレーション
購入するマンション・アパートの計画を立てる際には、物件購入にかかる費用などを考え最終的に得られる収益をシュミレーションします。厳密な計算ではなく、大まかな数字の流れだけでも掴むようにしましょう。
物件エリアの家賃相場や入居状況を考え購入物件の家賃を想定します。その家賃を基に支出額を算定して収支を見定めましょう。
融資の申し込み契約・賃貸開始
基本的な資金計画や経営プランが完了したら、それらの事業計画書を銀行などの金融機関に提出して融資の申し込みを完了させます。ここでは、全体的なローン金額や支払う利息も決まります。ご自分が設定した計算の範囲内かここでチェックしましょう
契約・賃貸開始
物件購入後は入居前に工事やリフォームの必要がなければ、不動産会社に仲介を依頼・契約をして入居募集に着手しましょう。工事の必要性がある場合でも、なるべく早い段階から入居募集に関する計画を立てておく方がスムーズに進みます。
物件の管理・メンテナンス
マンション・アパート経営といってもそのスタイルは様々でしょう。
本業を持たれている人では管理業務を行う時間がなく、管理会社に一任する場合や、オーナー自身が積極的に行ういわゆる「大家さん」スタイルもあります。
マンション・アパートの主な管理またはメンテナス業務としても定期清掃・法定点検・設備修繕・室内クリーニング・設備機器の故障対応などといったことがあります。ご自分がどれだけ物件に携わることができるのか判断して考えるようにしましょう。
マンション経営の注意点など
アパート・マンション経営で注意しなければいけない点は、所有物件の環境を常に意識することです。
メンテナンスや維持に手を抜くと、入居者の「質」も次第に低下してしまいます。部屋の汚さが気にならない人は、扱いも「雑」になってしまうものです。
このような入居者が入りだすと、他の部屋にも良い影響はでてきません。ほおっておくとアパート全体の質が落ちてしまう場合も考えられるので、修繕やメンテナンスはこまめにすることが大切です。
ローンの組み方について
以前は投資用不動産の取得では銀行の審査基準は厳しかったのですが、現在ではハードルが下がったと言われています。また、金利も低いことから、借りる側にとっては有利にな状況にあります。
不動産ローンと言えば「住宅ローン」を頭に浮かべる人が多いかと思いますが、マンション・アパート経営を目的とする物件取得は、貸付の目的が違うため、そのそもの審査基準が変わります。
- 住宅ローンは「返済能力」を重視
- 不動産投資ローンは「採算性」を重視
このように考えるといいでしょう。
審査を通りやすくするポイント
- 自己資金が多いこと
- 購入予定の物件の収益性の高さ
- 副業でされる場合は本業の信頼性
こういったことが融資の審査においてはポイントになります。
特に自己資金は多ければその分利息が少なくなりますので、マンション経営自体の収益も増やすことになります。
ローンの金利は借入先の金融機関によって変わりますし、変動・固定金利についても考慮する必要があります。まずは、ご自分が普段使用しているメインバンクなどに相談することがマンション・アパート経営を始める第一歩になります。
メリットやデメリット
メリット
安定して入居者がつく物件であれば、大きな手間をかけずに収益をあげられるのが大きなメリットです。
利回りがいい物件であれば、早期にローンを返済することもできます。ローンを完済すれば、その分を物件管理の委託などに費やすことができるので、何もせずに収益が上ってくることになります。
若いうちから大家さんとして経営をすることで、老後にも就労せずに安定した収益を確保していくことができます。
デメリット
マンション・アパート経営のデメリットには次のものが考えられます。
- 入居者の確保
- 金利の変動
- 資産価値の変動
入居者がいないと収益になりません。地域の開発状況などによりアパートやマンションの場所の人気が変動することは十分に考えられます。人気のある場所の物件を持っても、20年、30年と人気が続くとは限りません。
金利については、そのときの経済状況に大きく左右されます。現在はマイナス金利など低金利が続いています。しかし、アメリカでは利上げに動いていることもあり、日本の低金利がいつまでも続くという保証はありません。
景気や地価の変動に伴い、物件の価値も変動していきます。地域の人気が下がったりすれば売却することも難しくなり、不動産といえども不要なお荷物ともなりかねません。
向いている人
アパート・マンション経営には計画性や緻密な調査、細かい計算が必要となります。こういったことが得意な人でなくてはうまくいきません。
また、いくらシュミレーションをしても「空室」が続けば収入を得ることはできず、ローンの返済や修繕費に苦労するかたも少なくありません。そういったときのためのリスク管理もしっかりと考慮する必要があります。
こういったことを考慮するためには、不動産関連の知識も必要であり、勉強も続けていかなくてはなりません。
アパート・マンション経営がうまくいっている人は派手なイメージがありますが、計画的で詳細な分析が得意な人が向いていると言えます。
アパート・マンション経営をした人の口コミ
50代:男性
アパート経営を初めて約5年になりますが、最初のうちは、購入後のメンテナンスのことを一切考えず、激安物件を購入したために予想した以上の修繕費用が掛かってしまいました。アパート経営に必要なことは資金繰りと修繕計画と学びました。今までの経験を基にこれから1室づつ所有物件を増やしていきたいと思います。
40代:女性
私の実家は元々アパートを数棟経営していたので、小さいころから何度も親と一緒に掃除をしたり借主さんとお話しをしているいわゆる「大家」でした。今では、両親が他界したので、主人と二人でアパート経営を切り盛りしています。最近気になるのは物件の老朽化。計算するとかなりの費用になるので、数棟ある内の何棟かを売却してマンションを購入しようかと迷っています。今は信頼がおける仲介業者を探している最中です。
30代:男性
本業はサラリーマンをしています。数年前から気になっていたマンション・アパート副業。何冊も関係する本を購入して勉強しています。資金も少しずつ貯まって来たので、高利回りが期待できるできるだけ安い物件を購入して自分でリフォームすることを考えています。数年後には何室も所有して最終的には早期リタイアを夢見ています。
70代:男性
マンション・アパート経営を続け約20年になります。初めは仲介会社を通じて副業としてやっていましたが、会社を退職してからは、大家として借主さんとコミュニケーションを図っています。所有物件の周辺を掃除したり、お花を植えたり今ではライフワークの一つとなっています。これもマンション・アパート経営の醍醐味だと感じています。
50代:男性
マンション・アパート経営で成功するには、事前の計画が重要だと感じました。自己資金が比較的少なかった私は、購入価格のほとんどをローンに頼ったせいで入居者がいない期間は支払いがかなりきつかったことを記憶しています。メリットよりデメリットをいかに少なくするかが収入を得る秘訣だと思います。
まとめ
アパート・マンション経営をされるかたの多くがサラリーマンです。
サラリーマンは月収・年収がすべての収入になるわけですが、アパートやマンションから得る収入は家賃だけではありません。
近い将来の「資産」を持つことになるのです。最初の1室からでは利益を出すことは難しいかもしれませんが、10室20室と持つことで、大きな収入と目に見えない魅力を得ることは間違いありません。
実査に副業から始めて多くの利益をあげることで、脱サラした人は多くいます。逆に副業と割り切って可能な範囲で運用している人もいます。
自分のスタイルに合わせた運用を見つけることが大切です。
アパートやマンションの経営についてわかったかな?
物件を買う地域が重要なんだね。
それに、ローンをする際に頭金や金利にも注意しなきゃね。利息は少ない方がいいに決まってるもんね。
今後の人口の動向をしっかりと見定めて、物件の場所を決めないといけないね。それに金利は今後は高くなっていくことを想定して、できるだけ自己資金を増やすことも重要だね。
アパート・マンション経営はギャンブルではないので、しっかりと調査して始めれば収益が確保できるようになるよ。そして、少しずつでも保有する部屋数を増やしていければ、収益が安定するから老後も安心!