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商品の値段には内税や外税(税込や税別)があり、わかりにくいことがあります。
実は表記の方法は法令で規定されています。
今回は消費税の内税や外税について、法令をもとに解説していきます。

消費税の内税・外税とは

日本で消費税が導入されたのが1989年です。当時は3%だった消費税は2019年10月には10%へ引き上げられます。

消費税率が高くなると、商品の値段への影響も大きくなります。

内税と外税とは

商品の価格表示には内税と外税(税込と税別)方式があります。

例えば、値札に「1000円」と記載されていた場合に、消費税が8%だと、内税と外税では以下のような違いがあります。

  • 内税の場合 … 商品価格926円+消費税74円 = 1000円
  • 外税の場合 … 商品価格1000円+消費税80円= 1080円

買い物をする側としては、消費税は内税として、総額を値札に記載してもらいたいところです。レジで想定よりも多く払うのは抵抗があります。

一方で、商品を売る側としては、消費税率が少しずつ引き上げられている中で、総額表示をしていると、売れ残っているものの値段は消費税率が変わると変更しなければいけないので、とても面倒ですしコストもかかります。

法律ではどのようになっているかというと、消費税法に以下の規定があります。

消費税法(一部抜粋)
第六十三条 事業者は、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡等を行う場合において、あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。
※条文中の()内は省略しています。

法律には、値段の表示は税込にしなければならないと規定されているのです。

つまり、支払い金額の総額を表示することが義務付けられているのです。

総額表示(内税表示)の義務

消費税の導入当初は値札などの表記は「税抜き」が一般的でしたが、値札と消費税を加えた実際の価格が異なることの影響を踏まえ、平成16年4月から商品の値札などには、商品の総額(消費税を含めた内税の「税込」の値段)をすることが義務付けられました。

総額表示の対象は、不特定多数の人に販売することを目的とした商品であれば、消費税が課税されるほぼ全ての商品に適用されます。

また、それがお店でもチラシでも、ネット、テレビでも同じで、消費者に対して値段を表示するものであれば適用されます。

このように総額表示が義務付けられていのですが、ネットをはじめ、実際には多くの場所に税抜き価格の表示を見かけます。

実は総額表示の義務には特例が存在しているのです。

総額表示義務の特例

消費税は8%へ引き上げられたときに、10%への引き上げも決まっていたため、8%への引き上げ時点で総額表示を義務付けてしまうと、10%への引き上げでさらに総額表示を変更しなければなりません。

このため、お店を経営している人などにとっては、大きな事務の負担になってしまいます。

こういったことから、2021年3月31日までの間は、消費者が間違えないような配慮をすることで、税抜き価格の表示が可能になっています。

このことについては、国税庁が事例集を出していて、それによると税抜き価格を表示する場合は、値札などに以下のように表記することなどが示されています。

  • ・・円(税抜き)
  • ・・円(本体価格)
  • ・・円+税
  • ・・円(税別価格)

また、お店の中の商品の一つ一つは税抜きの価格を表示してあっても、お店の中の目立つ場所に「当店の価格は全て税抜き表示です。」などといった内容を示していれば問題ないということになります。

チラシなどにおいても同様で、税抜き価格を表示していることを目につきやすい場所に、明瞭に表示する必要があります。

一方で、レジの脇のみに税抜き価格である旨の表示があると、買い物をする人はレジに行くまで税抜き価格であることを把握できないことになり、誤認のおそれがあるためダメなようです。

【参考】総額表示義務の特例措置に関する事例集

【参考】事業者が消費者に対して価格を表示する場合の取扱い及び課税標準額に対する消費税額の計算に関する経過措置の取扱いについて(法令解釈通達)国税庁長官通達

事例集などを見ると、それに反して税抜き価格を紛らわしく掲載しているチラシやネット通販のページを見かけますので、広告を作成している方などは注意した方がいいでしょう。

総額表示をしないでいいもの

総額表示は、不特定多数に対して、あらかじめ値段を表示する際に適用されるもので、そういった類のものでない、見積書、契約書、請求書などは総額表示の対象になりません。

例えば、事業者間での販売においては、いわゆる一般的な多数の消費者を相手にしていないので、広告などにおいても税込価格を表示しないでいいことになっています。

とはいえ、契約書の内容において、本体部分と消費税部分が明確にわからないと、経理処理や消費税の納付額の算定に関わりますので、契約をする双方が価格部分で了解をしていることが前提となります。

まとめ

消費税率が高くなると、内税で総額表示をすると商品の値段が高くなったような印象を消費者に与える気がしますが、2021年3月までは税抜の表示が可能となります。

消費者を誤認させるような表記はダメですが、急に商品の価格が上がったような印象を与えてしまうのもよくありません。

総額表示の誤認防止の事例などを踏まえながら、適正に対処することが大切だと思います。