所得証明・課税証明とは?

所得証明、課税証明とは同じもので、市町村が交付する証明書です。

住民税の情報を元に作成されるもので、個人ごとの所得や住民税の内容が証明されます。

住民税は市区町村民税、都道府県民税のことを言いますので、証明書の名称は市町村ごとに異なることがあります。

例えば、神奈川県横浜市であれば、「市民税・県民税課税証明書」などという名称、大阪府大阪市であれば、「市民税・府民税課税証明書」などとなったりします。

証明書に記載されるのは、概ね以下の内容になります。

  • 所得内容
  • 所得控除(医療費控除や扶養控除など)の内容
  • 課税標準(税率を乗じる前の金額)
  • 税額控除額(配当控除やふるさと納税の控除など)
  • 住民税額(所得割・均等割)

証明書には通常は2通りあって、上記の内容が全て記載されているものと、所得と税額のみが記載されているものです。(自治体によって様式など多少の違いがあります。)

証明書は銀行などに提出する場合が多いと思いますが、情報としては所得や税額があれば足りると思います。

必要のない項目まで証明書に掲載して、外部に知らせることのないよう、全部記載してあるものと一部が掲載してあるものが用意されているのです。

収入状況を証明するものは、住民税の情報以外にない

意外かもしれませんが、個人の所得状況を把握できるのは市町村の住民税担当しかありません。

住民税では確定申告の内容で不足しているものも把握して課税を行っているからです。

なお、証明書の内容は会社員なら6月の給料の時などに会社で配布される税額通知書(横長の通知書です)、自営業や年金所得者なら納税通知書に記載されているものと同じです。

ですので、市町村から通知された書類があれば、わざわざ証明書を取得しなくても問題ないはずです。

所得・課税証明書が必要となるときは?

証明書が必要となるのは、主に銀行などからお金を借りるときです。

その人の収入状況が把握できなければ、返済の可能性が明確になりませんので、いくらお金を融資していいかわかりませんので、銀行にとっては重要な情報になります。(所得証明書と合わせて、会社の給与明細なども提出を求められるかもしれません。)

少し前だと、児童手当や児童扶養手当など、公的な給付を受ける場合などに必要とされることがありましたが、現在では多くが役所の内部でデータの受け渡しをして、所得情報を利用することができますので、わざわざ証明書を提出する必要はなくなってきています。

また、場合によっては収入が0円であったり、扶養に入っているという証明書が必要な場合があります。

この場合でも、所得証明・課税証明と同様の手続きで取得することができます。

なお、住民票などと同様に、市町村に対して所得証明・課税証明を請求すると手数料がかかります。

通常は1通あたり300円となります。

証明書の取得方法は?

証明書は市町村の窓口で交付を受けることができます。

本人を確認するための証明書(運転免許証やマイナンバーカードなど)が必要になります。

郵送でも交付を受けることができますので、引っ越してしまった人は、以前住んでいた市町村のHPを確認するか、窓口へ電話して手続きを確認するといいでしょう。

コンビニで取得できる市町村もある

なお、マイナンバーカードを持っている人は、そのカードを使ってコンビニで証明書を受け取ることができます。

これはコンビニの情報端末を利用したもので、多くの市町村が導入しているサービスです。

所得証明・課税証明の他、住民票、印鑑証明、戸籍なども取得することができます。

これなら、近所ですぐに取得できるので、とても楽ですね。

コンビニでの各種証明書の交付については、地方公共団体情報システム機構が情報を提供していますので、ご確認ください。

参考:コンビニ交付に関する情報(地方公共団体情報システム機構)

引っ越した人は注意

所得証明・課税証明は住民税の証明書ですので、住民税が課税された市町村が交付することになります。

住民税は1月1日の住所で課税されますので、2月に引っ越しをした場合でも1月1日の市町村で課税されます。

証明書の請求も1月1日の住所に対して行わなければなりませんので、注意してください。

証明書はどのようなもの?

所得証明書・課税証明書は市町村によって、多少様式が異なりますが、概ね以下のようになります。

所得のみの証明書

出典:米子市

住民税の情報をすべて掲載したもの

出典:米子市

納税証明書もある

所得証明・課税証明の他に、納税証明書というものもあります。

所得証明はどのくらい所得があり、いくら税金が課税されているかを示すものですが、納税証明書はその税金をちゃんと納めているかを証明するものです。

所得証明だけでは、税金を納めているか滞納しているかがわかりません。

極端な例で言えば、銀行からお金を借りるために、わざと所得を過大に申告して証明書を発行してもらい、お金を借りたら申告をしなおすことだってできるわけです。

この場合、納税証明書であれば、過大に申告していても納税したという事実がありますので、所得証明よりは内容の信憑性が高くなるということです。

証明書が必要となる目的にもよりますが、場合によっては納税証明書の提出を求められることおあります。

まとめ

課税証明書や所得証明書について、説明してきました。

従来は同じ役所の中でも、国民健康保険や児童手当などのために証明書を取得して提出しなければなりませんでしたが、現在ではシステム化とそれにともなう法整備により、そういった面倒な手続きが不要になっています。

また、コンビニでも証明書が取得できるようになってきていますので、マイナンバーカードを取得していない人は、手続きをしてもいいと思います。