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個人事業主にとって消費税の申告は面倒で、支払額も意外と高額になることがあります。
消費税は一括で納税するのが基本ですが、困った時には分割払いも可能です。
今回は分割納付について説明します。

消費税は分割払いできるのか?

消費税の納付額は、商品を販売したときに受け取った消費税と、仕入や経費のために支払った消費税の差額を納付することになっています。

消費税は消費者が支払ったものですから、消費税を納付する事業主はその金額を一時的に預かっているだけですので、理屈としては滞納するのはおかしいということになります。

そういったこともあり、消費税は原則として一括払いになります。

とはいえ、売上に含まれる消費税を完全に別管理するのは困難ですし、申告時に納付額を計算したら予想以上の金額だったということもあると思います。

実際に納税するときに、金額が不足するということもあるでしょう。

そんな時のために、納税を猶予してくれる制度があります。納税が猶予されることで、納期限後に分割納付をすることができます。

納税の猶予は以下の要件に当てはまる場合に受けることができます。

納税猶予の要件

① 以下のいずれかに該当

1. 財産について、災害を受けたり盗難にあったこと
2. 納税者や家族が病気にかかったり負傷したこと
3. 事業を廃業したり休業したこと
4. 事業について著しい損失を受けたこと
5. 上記の1から4に類する事実があったこと
6. 本来の期限から1年以上経過した後に、修正申告などにより納付すべき税額が確定したこと

② ①により納税できないこと。
③ 納税猶予の申請書を提出すること。
④ 担保の提供(猶予額が100万円を超える場合など)

猶予される期間は、原則1年ですが、特別な理由がある場合はさらに1年間の延長が認めらえる場合があります。

また、滞納後の財産の売却(換価)の猶予についても、同様に制度があります。

換価猶予の要件

以下の1から5の全てに該当すること。

  1. 納税により、事業の継続や生活の維持が困難になるおそれがある
  2. 納税について誠実な意思がある
  3. 換価の猶予を受ける税金以外に滞納がない
  4. 納期限から6か月以内に申請書が提出されている
  5. 担保の提供がある(猶予額が100万円を超える場合など)

分割納付の手続き、すべきこと

消費税の支払いが厳しいと感じたら、まずは何をおいても税務署に相談しましょう。

いきなり書類を整えるということではなく、まずは相談して、こちらの状況を説明することが大切です。

その上で、納税の猶予、分割納付が必要だと判断されれば、手続きを取ることになります。

実際の手続きなどについて

必要な書類や手続きは分割納付する金額によって異なります。

例えば、納税猶予する金額が100万円以上の場合は、法令上は上記のとおり担保が必要となりますが、猶予期間が短いと認められる場合などは、担保の提供を求められないこともあります。

納税できない理由や資産の状況などは、事業主それぞれで状況が異なりますので、それぞれに応じた対応を取ってくれることがありますし、こちら側でも要望があれば、話した方がいいでしょう。

納税猶予されても延滞税はかかる

ただし、納税が猶予されている期間でも、延滞税がかかります。

延滞税とは納税が遅れることによる利息のようなもので、納期限までに納付できない場合には、自動的に計算されて納税額に加算されます。

延滞税は税額に割合を乗じて計算します。

平成31年1月1日から12月31日までの割合は以下のようになっています。

延滞税の割合(年率)

  • 納期限から2ヶ月を経過するまで 2.9%
  • 納期限から2ヶ月を経過した翌日後 9.2%

納付税額が大きいと延滞税は高額になりますので、注意しましょう。

なお、分割納付をする際に必要な書類は、相談の際に説明を受けますので指示に従うようにしましょう。

納税できないときにやってはダメなこと

これは消費税だけでなく、他の国税、または住民税や固定資産税などの地方税についても同様ですが、納付書を放置したり、税務署や役所からのお知らせを見なかったりするのは、絶対にやめてください。

税金を滞納して、放置して納めないでいると、すぐに滞納処分の手続きに入ります。

最近は給与の差し押さえなども早い段階で執行されてしまいますので、必ず税務署や役所の担当者と相談するようにしてください。

納税が可能な範囲で分割納税の計画を一緒に考えてくれたりします。

ちなみに、税金の滞納は他の借金よりも優先度が高く、個人情報の調査についても強力な権限がありますので、本当に気をつけてください。

消費税を納税しやすくする方法

消費税の納税が毎年重い、支払いが大変、という場合には、中間申告制度を活用する方法があります。

消費税を48万円以上納付している場合は、翌年の消費税は中間申告をして前年の納税額の一部を前払いすることになるのですが、48万円未満の納税額であっても、自主的に年の途中で前年の納税額の半額を納税することができます。

事前に税務署への書類提出などの手続きが必要になりますが、事前に半分でも納税しておくことで、滞納をなくすことができると思います。

簡易課税の制度もある

消費税の負担が重くなりそうだと事前にわかっている場合などは、一定の要件を満たすことで、簡易課税の制度を適用することができます。

ただし、簡易課税制度の利用については、通常の納税方法と簡易課税で、どちらが納付額が少なくなるかを事前に検討する必要があります。

経費のほとんどが人件費である場合など、明らかに簡易課税を適用した方がいい場合などもありますので、消費税の計算が面倒で納税額が多いと感じる場合は検討してください。

まとめ

消費税の分割納税について説明してきました。

消費税の申告は面倒な上に、納付額が想像以上に多くなることがあります。

納税額の負担が大きいと感じたら、すぐに税務署に相談するようにしましょう。

くれぐれも、放置することのないよう気をつけてください。