マイナンバーカードを取得していますか?必要性を感じない人が多いですが、人によってはメリットもあります。マイナンバーカードの必要性やメリット・デメリットについて解説します。
マイナンバーカードまだ持ってないの?
2016年にマイナンバー制度が始まりましたが、2019年11月時点のマイナンバーカードの普及率は14.3%となっています。
どうして普及しないのでしょうか・・・必要と感じる人が少ないからでしょう。
マイナンバーカードのメリットとは
マイナンバーカードのメリットはあまり知られていないように思います。改めて、メリットやポイントを記載しておきます。
- 身分証明書として利用できる
- コンビニに住民票や証明書を取得できる
- オンラインから行政手続きの申請ができる
- 税金の電子申告(e-tax)ができる
- 銀行口座や証券口座の開設に必要
- 図書館カードとして利用できる
実はこのメリットは誰もが必ず受けられるメリットではないのです。
- 身分証明書として利用できる → できないところもある
- コンビニに住民票や証明書を取得できる → できない市区町村もある
- オンラインから行政手続きの申請ができる → できない市区町村もある
- 税金の電子申告(e-tax)ができる → 確実にできる
- 銀行口座や証券口座の開設に必要 → マイナンバーの通知カードでも対応できる
- 図書館カードとして利用できる → 限られた市区町村でできる
このように、メリットといいつつも、市区町村によって対応が異なるのでとても微妙です。
国のサイトを見ても、必ず「詳細はお住まいの市区町村のHPをご覧ください。」という記載があり、市区町村ごとに対応が異なることがわかります。
上記のメリットについて、もう少し詳しく解説していきます。
身分証明書としての利用について
身分証明書として全ての場所で利用できるわけではありません。
例えば、クレジットカードを作る場合に身分証明書として使える会社とそうでない会社があります。
マイナンバーカードには、個人番号が記載されているので、そういった重要な個人情報を取得したくない企業も多いようです。(仮に情報漏洩したら大変ですから)
国はマイナンバーカードを身分証明書として利用することを推奨していますが、マイナンバーカードはカードケースに入れたまま使うことを想定しています。
マイナンバーカードの交付を受けるとこのようなカードケース(ビニール製)をもらうのですが、個人番号が記載されている部分が隠れるようになっています。
隠れた状態で使うということです。
マイナンバーカード自体が普及していないので、身分証明書として見せられても本物かよくわからない状態だと思いますし、企業としてはこれまで通り、運転免許証などを使いたいところもあるでしょう。
それにビニールの袋に入った状態で使うというのも、しっくりこないところですね。
コンビニで住民票や証明書を取得できる
コンビニで住民票などを取得できるというのは、とてもありがたいですね。
しかも、A市の住民票がB市のコンビニでも取得できるので、対応しているコンビニがあれば、全国どこでも必要な書類を取得できるのです。
取得できるのは、「住民票の写し」「印鑑登録証明書」「住民票記載事項証明書」「各種税証明書」「戸籍証明書」「戸籍の附票の写し」で、毎日6時30分~23時00分まで、休日でも取得することができます。
証明書はコンビニのマルチコピー機を利用して出力します。
ただし、全国に1800程度の市区町村がありますが、対応しているのは657市区町村(2019年11月30日現在)です。
しかも、取得できる証明書の種類は市区町村によって異なります。
つまり、事前に自分の住んでいる市区町村がコンビニでの証明書発行に対応しているのか、調べておく必要があるのです。
それに、そもそも住民票や戸籍、印鑑証明などは頻繁に必要となるものではないので、それほど便利だと思えるかは難しいところですね。
オンラインで行政手続きができる
マイナンバーカードを使ってパソコンやスマホから、行政手続きの申請ができるというものです。
「ぴったりサービス」という、内閣府番号制度担当室が運営しているサイトがあり、ここから市区町村のサービスを検索して、各種行政手続きのオンライン申請をすることができます。(サイトでは内閣府が運営していることが一見してわかりませんので、一瞬怪しく感じます。)
子育て関連などの手続きもあり、とても便利に感じるのですが、ここでできるのは基本的に「申請」です。
通常は申請した後に何かを受け取ったりするので、結局、役所へ行かなければならない手続きも多いです。
それに、オンラインからの申請には、マイナンバーカードを機械で読み込む必要があり、ICカードリーダやスマホ(iPhone7以降またはAndroid)が必要になります。
サイトで申請できるサービスを検索しても、説明を読むと「手続きは窓口のみ」と書いてあったり、「よくある質問」を検索できなかったりして、サイトの使い勝手も微妙です。
オンライン申請は自治体によっては以前からあるサービスですが、大きなメリットとまではなりにくいサービスかもしれません。
税金の電子申告(e-tax)ができる
これはマイナンバーカードの最大のメリットだと思います。
確定申告をする人は、このためだけにマイナンバーカードを取得するべきだと思います。
とはいえ、最初はパソコンにソフトをインストールしたり、パスワードを複数入力したりと煩雑な部分も多いです。
ただし、慣れてしまえば、手書きで申告書を作る必要もないですし、混雑した税務署へ行く必要もありません。
後で説明しますが、確定申告の電子化はどんどん進んでいきますので、ますます便利になっていきます。
銀行口座や証券口座の開設に必要
新たに銀行口座を解説する場合にマイナンバーの提示が必須となっています。通帳の住所変更をするだけでも、マイナンバーを提示しなければなりません。
証券口座についてはマイナンバーを登録しないと取引ができません。
ただし、マイナンバーカードでなく、通知カードでも対応できる場合がほとんどです。この場合、運転免許証なども同時に必要となります。
マイナンバーカードがあると、1枚ですみますので、その点はメリットだと思います。
図書館カードとして利用できる
図書館カードなど、独自で様々な利用を推進している自治体もあります。
ただし、まだまだ少数派ですので、今後メリットは広がるかもしれません。
2020年以降はメリットが拡大する
上記のように、今ひとつ必要性を感じないマイナンバーカードなのですが、2020年以降はメリットが少しずつ増えていきます。
健康保険証、障害者手帳などとして使えるようになる
国は2021年3月からマイナンバーカードを健康保険証として使えるようにします。
これによって、確定申告の医療費控除もこのカードから医療費の情報を読み取ることで済むようになります。
さらには雇用保険、障害者手帳、お薬手帳もマイナンバーに統合することを想定していて、2021年からは順次マイナンバーカードを使ったサービスを広げていきます。
年末調整でも利用できるようになる
年末調整は毎月給与から引かれる所得税を精算する手続きです。
住宅ローン控除や生命保険、地震保険などを含めて所得税を再計算するため、年末調整では還付されるのが普通です。
このときの、住宅ローン控除、生命保険、地震保険などの書類を、マイナンバーカードを保有すると作られるマイナポータルに電子データとして集めることができるようになります。
そうすると、このデータを会社の総務などで送信することで、年末調整の手続きが完了するのです。
確定申告もさらに楽になる
e-tax を利用している人はすでにマイナンバーカードを保有していると思いますが、マイナンバーカードがあることで、さらに申告が楽になります。
先ほどの健康保険のデータから医療費控除の申告が可能となるほか、証券会社の特定口座のデータも詠み込めるようになるため、複数の証券会社の口座で株などの取引をしている人にとっては、利便性が高くなると思います。
マイナポイントで5000円もらえる
マイナンバーカードの普及策の一つとして、2020年9月から始まるマイナポイント制度があります。
期間中にキャッシュレス決済をすることで、支払額の25%のポイントが還元される制度で、最大1人5000円分がバックされます。
家族4人なら2万円になりますので、とてもお得な制度です。
マイナポイントについてはこちらを参照してください。
結論・・マイナンバーカードは必要なのか
いまのところ、マイナンバーカードがなくても困るものではありませんが、保険証や障害手帳などで利用できるようになると、さらに使えるものが広がっていくと思います。
また、毎年確定申告をしている人は、申告手続きが便利になっていきますので取得するとメリットが大きいです。
マイナポイントが始まる前に取得しておけば、1人5000円分のポイントももらえますし、こちらも大きなメリットがあります。
iPhoneでマイナンバーカードを詠み込めるようになったのは大きな進展
iPhone(iPhone7以降)でマイナンバーカードを読み込めるようになったため、手続きによってはこれまでのようにICカードリーダが不要となりました。
このことで確定申告もスマホでできる範囲が広がります。
とはいえ、どれも必要不可欠なものではありませんので、普及は難しいかもしれません。
様々なデータがマイナポータルに集まってくることに対しては、情報漏洩を心配する人もいるでしょうし、積極的にマイナンバーカードを取得するまでには至らないかもしれません。
普及は難しいかもしれないけど、取得するならいまのうち
運転免許証のように、「マイナンバーカードがないと困る」「劇的に利便性が向上する」などのものを打ち出せるかが普及のカギかもしれません。
結局のところ、マイナンバーカードを取得するメリットは微妙ですが、今後はカードがないと困る状況になるかもしれませんし、2020年にはマイナポイント制度も控えています。
時間がある人はいまのうちに取得しておいた方がいいかもしれません。