写真販売とは
写真販売とは、自分が撮った写真を商品として売り、お金を稼ぐことができるものです。
2018年1月、厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表し、正社員として働いている人でも、時間外であれば他の仕事ができるようになりました。
とは言え、日中は会社員として働き、夜は工事現場に出て作業をすると言った働き方は、心身ともに疲弊しやすくなってしまいますよね。
そこで、新しい副業としてここ数年人気が高まっているのが写真販売です。
写真販売の一番の特徴は、写真を売る側が必ずしもプロ(のカメラマン)である必要はないと言うこと。
アマチュアが趣味で撮った写真であっても、それを商品として売ることができます。
趣味で写真を撮っている人の中には、副業とまではいかなくても、自分が撮った写真が少しでも収入に変えることができたら嬉しい、と思っている場合も多いのではないでしょうか。
個人でサイトを立ち上げて販売をしている人もいるようですが、写真販売サイトを利用すれば、もっと気軽に写真を商品として販売することができます。
写真販売はマーケットプレイス型ストックフォトサービス
マーケットプレイスとは、インターネット上で物の売買を自由に行うことができる取引市場のことを言い、わかりやすい例で言うとAmazonがその象徴的存在と言えるでしょう。
Amazonでは数多くの商品が並んでいますが、商品を販売する企業は楽天市場のようにサイト内に自社のテナントを持たず、商品のみを出していますよね。
写真販売サイトでも、写真を売りたい人がサイト内でお店を持つのではなく、写真のみを商品として提供します。
また、ストックフォトサービスとは、広告などで使われる写真素材をあらかじめ用意している写真販売サイトを指します。
プロのカメラマンに写真を依頼した場合、そこから内容の打ち合わせ→見積→正式な発注→撮影→納品という順序を辿ることになりますが、ストックフォトサービスであれば、イメージに合った写真をサイト内で探して購入するだけですぐに使用が可能となります。
以前からこのようなサービス(レンタルポジ、レンタルフォト)はあったものの、ポジフィルムの受け渡しが行われるため取り扱いなどが面倒でしたが、ストックフォトではPCに写真をダウンロードするだけでOKなので、とても手軽に利用することができます。
収入はどれくらいになるのか
写真販売の収入は、写真販売サイトで写真が売れて初めて発生します。
写真を登録しただけでは収入には繋がりません。
そのため、写真販売を始めても何ヶ月も収入がない人もいれば、1ヶ月で数千円ほど稼げるようになる人もいます。
また、最初は写真の登録枚数が少ないですが、コツコツと積み重ねていくことで、おのずとそれだけ売り手側の目に留まる確率は上がっていきます。
その結果、月に数万円稼ぐことも決して夢じゃありません。
写真販売で成功している人には、1ヶ月で50万円、100万円以上を稼ぐ人もいて、副業として始めたものの、今では写真販売が本業という人もいます。
写真販売の始め方
1. 写真販売サイトに登録をします。
サイトの中には、著作権などについてテスト問題が出されるところもあります。
当然ながら、合格しないと登録できません。
2. 写真を審査に提出します。
写真販売サイトに登録ができても、それですぐに写真を売れるようにはなりません。
次は販売するための写真の審査があります。
これは写真を提出するたびに毎回行われるもので、サイト毎に定められている規定を超えていない場合は、写真をサイト上にアップロードして販売することはできません。
※デジタルカメラで撮影した写真を販売するため、パソコンの使用は必須となります。
売れやすい写真とは
こうすれば必ず売れるという確証はないものの、次のような写真は売れやすい傾向にあると言われています。
- シンプルなもの
- 余白があり、広告などでメッセージなどを差し込みやすいもの
- 他ではなかなか見ないテーマのものや、希少価値の高い被写体が映っているもの
- 風景写真よりも人物の写真
- 季節物(クリスマスやハロウィン、バレンタインなど)
- 美容、ダイエットに特化したもの
なお、人物を被写体にする時は、必ず相手に許可をとる必要があるので注意しましょう。
スマホで撮影した写真はNG
スマホの普及によって、いつでもどこでも誰でも好きな時に写真が撮れるようになりましたが、写真販売サイトではこれらで撮影した写真が審査を通ることはありません。※
※スマホで撮った写真を販売できるアプリはあります。
コンスタントに写真を登録しましょう
ある程度の収入を得るには、買い手側に「買いたい」と思わせるクオリティーが求められますが、実はそれ以上に1枚でも多くの写真をサイトに登録することが大切になります。
写真を買う側が求めているテーマは多様であるため、自分にとっては使いみちがないと思われる写真が案外売れたりもします。
そのため、写真の良し悪しを自分で精査するのではなく、一定のクオリティーが認められる場合はとりあえず写真販売サイトに登録してみるのがよいでしょう。
メリットとデメリット
メリット
写真販売のメリットは、写真を登録しておけば後は勝手に収入になることです。
商品を売る場合は、その商品が売れてしまうとまた仕入れたり、制作する手間が掛かりますが、写真はデータを売り買いするので一度上げるだけでOKです。
また、趣味で写真を撮っている分には、自分自身が満足や納得ができる形の写真を撮ることができればよかったですが、これを商品として考えると構図やテーマなどを変える工夫が必要になるため、おのずと写真撮影のスキルを上げることができます。
デメリット
写真が売れないと収入にならないのが最大のデメリットとなります。
さらに、写真販売サイトはプロ・アマチュア関係なく登録できるので、プロと競合しなくてはいけない場合も出てきます。
販売サイトの紹介
ここでは、具体的な写真販売サイトをご紹介します。
PIXTA
PIXTA(ピクスタ)は、2006年5月に日本国内で始まったストックフォトサービスです。
それまで、ストックフォトサービスは海外の企業が主でしたが、ピクスタは日本の企業や日本人が好む日本的な写真を多く保有しているのが特徴で、今では国内最大手の写真販売サイトとなっています。
一度素材を購入すると、加工や編集、使用は何度行っても構わないロイヤリティフリー形式を導入しており、商用を含む広告、書籍、商品パッケージ、TVなど様々な媒体での使用が可能です。
ピクスタには、クリエイター(写真を投稿する人)の専属制度があり、写真やイラストの販売をピクスタのみで行っている人は、コミッション(歩合)率のアップや審査の優先などが受けることができます。
専属制度には「専属」と「人物専属」があり、人物専属が最もコミッション率が高くなります。
この他には、専属制度からは外れますが、ピクスタで販売した写真を他のストックフォトサービスでは販売しない「独占」を結ぶと、一般よりもコミッション率を上げることができます。
なお、ピクスタでは、期間内にアップロードできる写真の枚数に制限を設けています。
これは、品質の高い写真を積極的にアップロードしている人には、その後は制限枚数を増加するなどの優遇処置を行い、一方で審査でNGとなる回数が多い、適切なタグ付けが行われてない場合には枚数を少なくするなどの調整を行っているためです。
支払いまでの流れ
サイトにて登録した写真が売れると、販売価格からあらかじめ決まっているコミッション率によって支払い額が決まり、それが獲得クレジットとして支払われます。
写真が売れると、登録してあるメールアドレス宛に連絡が入りますが、獲得クレジットや販売の処理については自動で行われます。
現在の獲得クレジット数はマイページで確認することができ、10クレジット以上貯まると(海外在住者は50クレジット以上)、1クレジット108円に換算して支払いが行われます。
photo library
photo library(フォトライブラリー)は、日本国内のストックフォトサービスになります。
写真・イラストの素材はロイヤリティフリーのみの販売となっているため、一度購入されると何度でも加工や使用が可能となっています。
また、写真の販売価格は売り手側が自由に決めることができるため、他の写真販売サイトよりも安く価格が設定されている傾向にあります。
1枚あたりの単価が低いとその分多く売らないと利益にならないというデメリットもありますが、どのような写真に買い手がつきやすいかなどの動向を知ることができたり、とにかく1枚でも多く売りたいという人にはとても向いていると言えるでしょう。
さらに、0円での設定も可能となっています。
0円は無料提供という形になり、商用使用ができないなどの規定がありますが、多くの人の目に留まりやすく、リピーターを増やすことでやがて有料販売に繋がると言ったやり方もできるなど、比較的売り手が自由に写真を売ることがで
きるのがポイントとなっているので、写真販売を始めたばかりという人にはお勧めのサイトとなっています。
なお、フォトライブラリーには2つの契約形態(一般と独占)があり、独占の場合は写真全てをフォトライブラリーのみの販売とするものです。
一般、独占ともに過去1年の写真販売枚数によってランク分けされており、最も高いコミッション率は、独占契約をしてなおかつ過去1年で写真の販売枚数が601枚を超えている人のダイヤモンド認定となります。
この場合、販売価格の65%が収入となります。
支払いまでの流れ
毎月末日を締め日とし、その日までに販売価格から手数料を引いた額が3,000円を超えている場合のみ、翌々月の25日までの指定の口座にお金を振り込まれます。
3,000円を超えていない場合は、翌月以降の振り込みとなります。
なお、この際の振込手数料は無料となっています。
写真AC
写真販売の経験はなくても、無料サイトから写真をダウンロードして、ブログなどの記事に差し込んで使ったことがある、という人は多いのではないでしょうか。
中でも、写真ACは無料とは思えない写真のクオリティーと商用利用可と言う懐の広さで利用者が大変多いサイトです。
写真ACは写真を利用する側が無料ながら(有料会員サービスもあり)、写真の提供者に対して2.75ポイント、モデルリリース(肖像権使用許可書)が提出されている人物の顔が映った写真の場合は5ポイントが付加されます。
また、1回のダウンロードで0.1円を写真ACより日本赤十字社を通じて、東日本大震災へ寄付しているので、自身の写真がダウンロードされるだけで社会貢献をしていることになります。
さらに、大きな特徴としてスマホで撮影した写真でもOKということ。
スマホで撮影した写真は、他のストックフォトサービスでは審査に通らないことがほとんどなので、スマホで撮影することが多い人は写真販売を写真ACから始めてみるのがよいでしょう。
ただし、アップロードした写真の著作権は写真ACに譲渡されるため、他のストックフォトサービスにアップロードができなくなりますので注意しましょう。
支払いまでの流れ
写真ACの換金は、5,000ポイント以上貯まらないと行えません。
1ポイント1円換算ですので、最短で5,000円の換金となります。
換金は、楽天銀行かんたん振り込み(メルマネ)にて行います。
換金申請をすると、入力したメールアドレス宛に来たメールに記載されているアドレスに飛び、受け取り口座を入力するだけです。
shutterstock
Shutterstock(シャッターストック)は、アメリカのニューヨークを拠点にしているストックフォトサービスです。
シャッターストックが保有するロイヤリティフリー画像は、2018年7月現在で2億万枚超となっており、一日で追加される画像は5万枚以上となっています。
世界で150ヵ国の人が利用しており、その規模は世界最大級と言われています。
シャッターストックは海外の写真販売サイトのため、タグ付けなどを英語で行う必要がありますが、寄稿者登録や検索は日本語で行うことができるので、英語があまりよくわからないという人でも安心です。
ただし、寄稿者登録を行う場合には、パスポートとPayPal口座(もしくはPayoneer、Skrill)が必要になります。
なお、支払いに小切手を利用する場合は口座を用意する必要はありません。
また、登録が済むとサイトに即、写真をアップロードできるわけではなく審査があります。
審査を通った後はまずは10枚のみしか登録できませんが、シャッターストックは非独占な契約形態となっているため、他の写真販売サイトとの併用が可能となっています。
支払いまでの流れ
月末の時点で35ドル以上が貯まっていると、自動的にPayPal口座に振り込みがされます。
実際に振り込まれる金額は、直近のレートを適用した概算額(通貨換算手数料を含む)となります。
https://www.shutterstock.com/ja/
payless images
payless images(ペイレスイメージズ)は、東京に本社を持つ日本の企業です。
2007年1月に設立され、その年の7月から日本初となるストックフォトの定額制サービスを開始しています。
ペイレスイメージズで写真を販売するには、まずはクリエイター登録が必要になります。
必要事項を入力して送信後、登録が完了すると、次にクオリティーチェックを受けます。
審査用の写真を5枚送信し、2週間程度を目安にメールにて審査結果が知らされます。
審査を通過後、マイページにて作品のアップロードやタグ付けなどができるようになり、販売用審査を経て写真の販売が開始されます。
また、ペイレスのクリエイターのみが参加することができるクラウドソーシングサイト「ペイレスクラウド」への参加が可能となります。
ペイレスクラウドでは、クライアントから直接仕事の依頼が来たり、募集をしている仕事に応募することができます。
支払いまでの流れ
獲得額が5,000円を超えると、日本国内の銀行口座、もしくは国内外のPayPalにて出金の申請が可能となっています。
なお、海外の口座の場合は50,000円以上となっています。
fotolia
fotolia(フォトリア)は2004年にアメリカのニューヨークで始まり、パリやベルリンなどに拠点を持つ世界有数のストックフォトサービスです。
しかし、2015年にAdobe(アドビ)に買収され、現在はフォトリアからのクリエイター登録はできない状態になっています。
フォトリアで写真販売をしたい場合は、運営会社が同じであるアドビストックに登録することになります。
支払いまでの流れ
フォトリア及びアドビストックは、1クレジット150円で、50クレジット(7500円)貯まるとPayPal口座にて引き出しが可能になります。
istock
istock(アイストック)はゲッティイメージズが運営する写真販売サイトです。
ゲッティイメージズと言えば、テレビ番組や報道、広告などのクレジットで見掛けたことがある人も多いと思いますが、報道写真を取り扱っていることからもわかる通り、プロの作品を販売しているサイトになります。
一方のアイストックは、プロ・アマ関係なく写真を販売することができます。
日本での知名度はまだそれほど高くなく、利用者は欧米人が圧倒的と言われていますが、その分「日本的」な写真は希少価値が高く、競合しにくいため穴場のストックフォトサービスと言えるでしょう。
支払いまでの流れ
月末までに100ドルに達すると、翌月25日にPayPal口座などに手数料無料で入金されます。
https://www.istockphoto.com/jp
まとめ
副業としての写真販売について、まとめてみました。
副業ですから、できれば自分の趣味をいかして、楽しく始めたいものですね。
ご紹介したとおり、ネット上には様々な写真の販売サイトがあります。
私のサイトでも利用していますが、今後も写真の需要は伸びていくと思われます。
ぜひ、いろいろなサイトを見て、自分にあったサイトの登録してみてはいかがでしょうか。