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自動車の購入時期は、消費税10%の前後どちらがいいか悩んでいる人もいると思います。
消費税10%に合わせて自動車税制も大きくかわりますので、税金がどれくらい変化するのか試算してみました。自動車の購入を検討している人は、ぜひ参考にしてください。

2019年は車の税金が大きく変わる!

2019年は消費税が10%に増税されることから、景気に影響が出ないよう、様々な政策が検討されてきました。

中でも住宅や自動車は大きな買い物ですので、消費税の税率が引き上げられる影響はとても大きくなります。

2019年の税制改正は消費が落ち込まないように、いくつもの減税対策が盛り込まれています。

消費税10%に合わせて改正される自動車の税金

特に自動車に関する税金は抜本的に見直されることになりました。

まずは、自動車にかかる税金の税率などがどのように変更されるのか確認したいと思います。

自動車税の減税

自動車税はこれまでグリーン化税制といって、電気自動車や一定の燃費基準を満たす車については、自動車を購入した翌年の自動車税を50%〜75%減税していました。

消費税が増税される2019年10月以降に新車新規登録する自動車は、毎年軽減された税率が適用されます。

2019年9月までと10月以降の税率については、以下の表のとおりです。

自家用乗用車の税率
総排気量 2019年9月まで 2019年10月から
1リットル以下
電気自動車など
29,500 25,000
1リットル超~1.5リットル以下 34,500 30,500
1.5リットル超~2.0リットル以下 39,500 36,000
2.0リットル超~2.5リットル以下 45,000 43,500
2.5リットル超~3.0リットル以下 51,000 50,000
3.0リットル超~3.5リットル以下 58,000 57,000
3.5リットル超~4.0リットル以下 66,500 65,500
4.0リットル超~4.5リットル以下 76,500 75,500
4.5リットル超~6.0リットル以下 88,000 87,000
6.0リットル超 111,000 110,000

【参考】自動車の税が大きく変わります(総務省)

自動車重量税

自動車重量税は消費税の増税と関係なく、エコカー減税の基準が厳しくなります。

現行の規準は2019年4月30日で切れてしまいますので、2019年5月1日から2年間適用される規準が新たに設けられました。

規準は以下のように変更になります。

2019.4.30まで 2019.5.1〜2021.4.30
新規登録 継続初回車検 新規登録 継続初回車検
電気自動車、プラグインハイブリッドなど 免税 免税 免税 免税
2020燃費基準+90%以上 免税 免税 免税 免税
2020燃費基準+50%以上 免税 免税 免税 通常税率
2020燃費基準+40% 免税 通常税率 免税 通常税率
2020燃費基準+20% 75%軽減 通常税率 50%軽減 通常税率
2020燃費基準+10% 50%軽減 通常税率 25%軽減 通常税率
2020燃費基準 25%軽減 通常税率 25%軽減 通常税率

【参考】自動車重量税額について(国土交通省)

自動車取得税

自動車取得税は消費税が10%になるタイミングで廃止されますが、2019年4月1日からエコカー減税の規準が厳しくなります。

2019.3.31まで 2019.4.1から
電気自動車、プラグインハイブリッドなど 非課税 非課税
2020燃費基準+40%以上 非課税 非課税
2020燃費基準+30%以上 80%軽減 50%軽減
2020燃費基準+20%達成 60%軽減 50%軽減
2020燃費基準+10%達成 40%軽減 25%軽減
2020燃費基準達成 20%軽減 20%軽減

【参考】自動車関連税制について(国土交通省)

環境性能割

自動車取得税が廃止される代わりに、環境性能割という、燃費規準などに応じて課税される税制が創設されます。

2019年10月から始まりますが、最初の1年は税率が通常の税率よりも1%低く設定されます。

また、他のエコカー減税などよりも規準が甘いため、非課税になる車も多いと思います。

対象車 2019.10.1〜2020.9.30 2020.10.1〜
乗用車 軽自動車 乗用車 軽自動車
電気自動車等・2020燃費基準+20% 非課税 非課税 非課税 非課税
2020燃費基準+10% 非課税 非課税 非課税 1%
2020燃費基準 1% 1% 2% 1%
上記以外 2% 1% 3% 2%

車の購入は消費税の増税前後でどちらが得か?

上記の税制改正を踏まえて、購入時期によって、購入後5年間、10年間でどの程度税金に差が出るのか試算してみました。

なお、試算は車体価格は概算価格として、車種の平均的な価格としています。また、自動車税(または軽自動車税)は初年度から月割りなどせず、満額を納付するものとして計算しています。

前述のとおり、改正後の税率については現状では詳細がしめされていないので、推定した部分がありますので、その点を踏まえてご覧ください。

普通自動車の試算

まずは、普通自動車の試算です。試算はアクア、プリウス、アルファードハイブリッド、ノートe-POWER、スカイラインハイブリッドで行いました。

アクア(トヨタ)

車の概要

  • 型番:DAA-NHP10
  • 燃費規準:2020年規準+50%達成
  • 車体価格:180万円
5年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 144,000 144,000 180,000
自動車取得税 0 0 0
環境性能割 0 0 0
自動車税(5年分) 147,000 147,000 129,600
自動車重量税(新規+初回継続車検) 0 26,200 26,200
5年間の税金 291,000 317,200 335,800
1年分の税金 58,200 63,440 67,160
10年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 144,000 144,000 180,000
自動車取得税 0 0 0
環境性能割 0 0 0
自動車税(10年分) 319,500 319,500 282,100
自動車重量税(新規+初回継続車検) 37,500 63,700 63,700
購入後10年間の税金 501,000 527,200 525,800
1年分の税金 50,100 52,720 52,580

プリウス(トヨタ)

車の概要

  • 型番:DAA-ZVW30
  • 燃費規準:2020年規準+50%達成
  • 車体価格:240万円
5年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 192,000 192,000 240,000
自動車取得税 0 0 0
環境性能割 0 0 0
自動車税(5年分) 167,800 167,800 153,000
自動車重量税(新規+初回継続車検) 0 26,200 26,200
購入後5年間の税金 359,800 386,000 419,200
1年分の税金 71,960 77,200 83,840
10年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 192,000 192,000 240,000
自動車取得税 0 0 0
環境性能割 0 0 0
自動車税(10年分) 365,300 365,300 333,000
自動車重量税(新規+初回継続車検) 37,500 63,700 63,700
購入後10年間の税金 594,800 621,000 636,700
1年分の税金 59,480 62,100 63,670

アルファードハイブリッド(トヨタ)

車の概要

  • 型番:DAA-AYH30W
  • 燃費規準:2020年規準+50%達成
  • 車体価格:450万円
5年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 360,000 360,000 450,000
自動車取得税 0 0 0
環境性能割 0 0 0
自動車税(5年分) 191,200 191,200 184,800
自動車重量税(新規+初回継続車検) 0 43,700 43,700
購入後5年間の税金 551,200 594,900 678,500
1年分の税金 110,240 118,980 135,700
10年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 360,000 360,000 450,000
自動車取得税 0 0 0
環境性能割 0 0 0
自動車税(10年分) 416,200 416,200 391,500
自動車重量税(新規+初回継続車検) 62,500 106,200 106,200
購入後10年間の税金 838,700 882,400 947,700
1年分の税金 83,870 88,240 94,770

ノートe-POWER(日産)

車の概要

  • 電気自動車
  • 車体価格:250万円
5年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 200,000 200,000 250,000
自動車取得税 0 0 0
環境性能割 0 0 0
自動車税(5年分) 125,500 125,500 106,200
自動車重量税(新規+初回継続車検) 0 0 0
購入後5年間の税金 325,500 325,500 356,200
1年分の税金 65,100 65,100 71,240
10年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 200,000 200,000 250,000
自動車取得税 0 0 0
環境性能割 0 0 0
自動車税(10年分) 273,000 231,200 231,200
自動車重量税(新規+初回継続車検) 0 0 0
購入後10年間の税金 473,000 431,200 481,200
1年分の税金 47,300 43,120 48,120

スカイラインハイブリッド(日産)

車の概要

  • 型番:DAA-HNV37
  • 燃費規準:2020年規準+20%達成
  • 車体価格:500万円
5年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 400,000 400,000 500,000
自動車取得税 52,200 65,200 0
環境性能割 0 0 0
自動車税(5年分) 261,000 261,000 256,500
自動車重量税(新規+初回継続車検) 27,500 35,000 35,000
購入後5年間の税金 740,700 761,200 791,500
1年分の税金 148,140 152,240 158,300
10年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 400,000 400,000 500,000
自動車取得税 52,200 65,200 0
環境性能割 0 0 0
自動車税(10年分) 551,000 551,000 541,500
自動車重量税(新規+初回継続車検) 77,500 85,000 85,000
購入後10年間の税金 1,080,700 1,101,200 1,126,500
1年分の税金 108,070 110,120 112,650

軽自動車の試算

普通乗用車と同様に軽自動車についても試算してみました。

ワゴンR(スズキ)

車の概要

  • 型番:DAA-MH55S
  • 燃費規準:2020年規準+30%達成
  • 車体価格:180万円
5年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 144,000 144,000 180,000
自動車取得税 4,500 11,200 0
環境性能割 0 0 0
軽自動車税(5年分) 48,600 48,600 48,600
自動車重量税(新規+初回継続車検) 6,800 8,700 8,700
購入後5年間の税金 203,900 212,500 237,300
1年分の税金 40,780 42,500 47,460
10年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 144,000 144,000 180,000
自動車取得税 4,500 11,200 0
環境性能割 0 0 0
軽自動車税(10年分) 102,600 102,600 102,600
自動車重量税(新規+初回継続車検) 19,300 21,200 21,200
購入後5年間の税金 270,400 279,000 303,800
1年分の税金 27,040 27,900 30,380

ハスラー(スズキ)

車の概要

  • 型番:DAA-MR41S
  • 燃費規準:2020年規準+30%達成
  • 車体価格:160万円
5年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 128,000 128,000 160,000
自動車取得税 4,900 12,300 0
環境性能割 0 0 0
軽自動車税(5年分) 48,600 48,600 48,600
自動車重量税(新規+初回継続車検) 6,800 8,700 8,700
購入後5年間の税金 188,300 197,600 217,300
1年分の税金 37,660 39,520 43,460
10年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 128,000 128,000 160,000
自動車取得税 4,900 12,300 0
環境性能割 0 0 0
軽自動車税(10年分) 102,600 102,600 102,600
自動車重量税(新規+初回継続車検) 19,300 21,200 21,200
購入後5年間の税金 254,800 264,100 283,800
1年分の税金 25,480 26,410 28,380

アイ・ミーブ(三菱)

車の概要

  • 電気自動車
  • 車体価格:300万円
5年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 240,000 240,000 300,000
自動車取得税 0 0 0
環境性能割 0 0 0
軽自動車税(5年分) 45,900 45,900 45,900
自動車重量税(新規+初回継続車検) 0 0 0
購入後5年間の税金 285,900 285,900 345,900
1年分の税金 57,180 57,180 69,180
10年保有した場合
購入時期 2019年4月まで
消費税8%
2019年5月以降
消費税8%
2019年10月以降
消費税10%
消費税 240,000 240,000 300,000
自動車取得税 0 0 0
環境性能割 0 0 0
軽自動車税(10年分) 99,900 99,900 99,900
自動車重量税(新規+初回継続車検) 12,500 12,500 12,500
購入後5年間の税金 352,400 352,400 412,400
1年分の税金 35,240 35,240 41,240

消費税の増税前に購入した方が良いという結果

普通乗用車と軽自動車について簡単に試算してみましたが、基本的に消費税が10%になる前に購入した方がお得です。

保有期間は5年と10年にしましたが、13年以上保有すると、自動車税や軽自動車税が高くなりますので、注意してください。

また、環境性能がよい車を中心に試算しましたが、環境性能や燃費が悪い車はさらに税金が高くなります。

車の価格や下取りで出費を少なくする方法

ここまで税金がどれくらいかかるかで、消費税増税の前後で損得をみてきました。

試算では、保有期間が5年から10年の場合、数万円から10万円ほどの税金の差が出ました。

車は税金以外にも、本体価格を下げてもらったり、今保有している車の下取り価格を上げることで、出費が少なくなります。

車の価格について

まずは、こちらのグラフをご覧ください。2008年からの販売台数の推移です。

日本自動車工業会のデータもとに当サイトで作成

消費税が5%から8%に引き上げられたのが2014年ですので、消費税が上がる前に購入する人が多くいたため、2014年に販売台数が増えて、2015年に下がったことがわかります。

車を販売するディーラーからすると、消費税が増税される前に多くの車を売りたいという気持ちになっていると考えられます。

また、こちらのグラフは2016年からの月別の販売台数の推移です。

日本自動車工業会のデータもとに当サイトで作成

毎年、3月に販売台数が増加しているのがわかります。

決算時期は大々的にセールをしますし、ディーラーはノルマを達成する必要があります。

その時期にはある程度の値引きを受けられる可能性がありますので、それを狙って買いに行く人もいますので、売上が伸びているのだと思います。

値引きは数万円から20万円程度受けられるといいます。車を買いたい人は2月頃から販売店に行くなどするといいかもしれません。

下取りは複数業者で査定してもらう

車の下取りは販売店でも行っていると思いますが、やはり複数の業者で査定してもらった方がいいでしょう。

今ではネットで一度申し込むだけで、複数の業者が査定をしてくれるサービスがあって、主流になっています。

複数で業者で査定を受けて、一番高く買い取ってくれるところにお願いすることができます。

【参考】楽天の一括査定

まとめ

消費税の増税に合わせて、車を買い換える場合、いつ買い換えればいいのか説明してきました。

消費税が10%になる前後で、納税額に違いがでることがわかったと思います。

また、車を買う時期によっては割引を受けられる可能性もありますので、車の購入を考えている人は、早めに行動して、欲しい車の価格などを調べたり、ディーラーへ行ったみたりすることをお勧めします。