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ふるさと納税をした後に引越しをした場合、ふるさと納税を行った自治体へ住所変更の手続きが必要となることがあります。
手続きを忘れてしまうと住民税から控除されないことがありますので注意が必要です。
今回は引っ越し時の手続きについて解説します。

住民税は翌年の1月1日の住所で課税される

ふるさと納税の話の前に、まずは住民税の基本をすごく簡単に説明します。

課税の図

住民税は前年中の所得や控除に基づいて、翌年1月1日の住所で課税されます。

つまり、2017年1月から12月までの所得や社会保険料、ふるさと納税などの金額で、2018年度の住民税が決まるのです。

このときの2018年度の住民税額は、2018年1月1日に住んでいる市町村で課税されます。

例えば、2017年8月にふるさと納税をした時にA市に住んでいて、9月にB市へ引っ越した場合は、2018年1月1日はB市に住んでいることになりますので、2018年度の住民税はB市で課税されることになります。

ワンストップ特例を選択した人は住所変更の手続きが必要

ふるさと納税をする際にワンストップ特例制度を選択した人は、ふるさと納税先の自治体に「ワンストップ特例申請書」を提出していると思います。

提出したワンストップ特例申請書は、本人の住んでいる市町村へ送付されて、それに基づいて住民税の計算をします。

ワンストップ流れ

住民税は1月1日の住所で課税されるといいました。通常は住所は住民票などで把握するのですが、ふるさと納税については別です。

ワンストップ特例申請書に記載した住所と1月1日の住所が異なる場合は、その情報をふるさと納税をした自治体へ教える必要があります。

手続きの方法

住所変更の手続きをすることで、以下のように翌年の住民税が減額されることになります。

手続きをしたときの図

住所変更の手続きはとても簡単です。

変更の届けに以下のように記載して、ふるさと納税をした市町村へ送付します。

変更届

なお、この変更届はワンストップ特例の申請書を送付したすべての市町村に送付しなければいけません。

こうすることで、翌年の住民税の計算にちゃんと反映されることになります。

→ 寄附金税額控除に係る申告特例申請事項変更届出書(総務省)

なお、ふるさと納税をした翌年の1月1日より後に引っ越しをした場合は、手続きは不要です。

あくまでも、ふるさと納税をしたときと、1月1日の状態が同じか違うか、ということが重要になります。

市内の転居ならOK

ただし、同じ市町村の中(23区の場合は区内)で引っ越した場合は問題ありません。

上の図のとおり、課税される市町村にワンストップ特例の申請書が送付されるからです。

結婚で氏名が変わった場合は、市外に転居しない場合はOK

結婚して苗字が変更になった場合も、ふるさと納税をしたときと同じ市内に住み続けている場合は、問題ありまん。

住所変更の手続きをしないとどうなるのか

ワンストップ特例を選択していたのに、その後引っ越しをして、なんら手続きをしないとどうなってしまうのでしょうか。

手続きをしなかったときの図

転居後の住所変更の手続きを忘れてしまうと、ふるさと納税を受けた自治体は、引越し先の住所を把握できないため、ワンストップ特例申請書が転居先の自治体に届きません。

この場合は住民税からふるさと納税の金額が控除されません。しっかりと節税の効果を得るためにも忘れずに手続きを行うようにしましょう。

住所変更の手続きの締め切りも1月10日

引越し時の住所変更手続きにも締め切りがあります。

ワンストップ特例申請をする場合は、ふるさと納税を行った自治体に翌年の1月10日までに申請書を郵送しますが、住所変更届の締め切りも同じく1月10日となります。

引越しの際の他の変更手続きと合わせて早め早めに手続きをしましょう。

確定申告をする場合は手続不要

確定申告をした場合の図

確定申告でふるさと納税を申告する場合は、住所変更の手続きは必要ありません。

確定申告の申告書には申告時の現住所とその年の1月1日の住所を記入する欄がありますので、それで手続きは大丈夫です。

確定申告をする場合はすべてのふるさと納税を記載する

ワンストップ特例申請でいくつかの自治体にふるさと納税をしていた場合、それぞれの自治体に住所変更手続きを行わなければいけませんが、確定申告では1度で済むので、引越しをした場合などは、確定申告をした方が楽かもしれません。

ただし、確定申告書には、ふるさと納税をした分はすべて記載することを忘れないでください。

確定申告書を提出する場合は、この中ですべてを清算することになります。

以下の記事で確定申告の方法などを記載していますので、合わせてご覧ください。

ふるさと納税した場所をメモっておくのも良い

手続きをした自治体についてメモを作っておくと、引越し等の手続きの際にも便利かもしれません。

余裕があれば、次年度以降どちらの自治体にふるさと納税を行うかの参考にもなりますし、良かった特産品等の記録にもなります。

引越しをすることが分かっていると色々な手続きが面倒で、その年はふるさと納税をしないでおこうと考えることもあるでしょう。

でも、それでは勿体ないですよね。ふるさと納税の住所変更の手続きも転居時の他の変更手続きの一つとして一気にやってしまえば、すぐに済んでしまいます。

折角の節税のチャンスですから上手く活用しましょう。