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老後資金を作るための手段として挙げられる個人年金保険と確定拠出年金。
イマイチ両者がどう違うのかを理解できていないという人も多いのではないでしょうか。
ここでは個人年金保険の基本や特徴を解説するとともに、確定拠出年金との違いについても解説しますね。

個人年金保険と確定拠出年金はどう違う?

個人年金保険は「楽」で「安心」

以下の表は個人年金保険の特徴を一覧にまとめたものです。この表をもとに、個人年金保険について理解しておくべきポイントを解説していきます。

個人年金の特徴

概要 民間保険会社の保険商品。基本的に老後の一定期間にもらえる金額を決める「確定給付型」であることが多い。運用は保険会社が行う。
いくらぐらい払う? 年間平均17.9万円*
いくらぐらいもらえる? 年間平均101.0万円(世帯当たり)*
節税効果 年間の支払保険料などの金額に応じて最大4万円の所得控除が受けられる。

※生命保険文化センター

個人年金の種類・リスク

種類
  1. 定額個人年金
    1. 有期年金
    2. 保証期間付有期年金
    3. 確定年金
    4. 終身年金
    5. 保証期間付終身年金
    6. 夫婦年金
  2. 変額個人年金
リスク
  • 物価変動リスク
  • 元本割れリスク

個人年金保険は「確定給付型」の年金

個人年金保険は民間の保険会社の商品で、あらかじめ決めておいた年齢になると払い込んでおいた保険料に応じて、年金が受け取れる保険です。

この保険商品は、老後の生活資金としては心もとない国民年金(月平均4万円程度)や厚生年金(月平均9万円程度)以外の備えとして利用されています。

年金として受け取る以外にも、退職金のように一時金として受け取れる商品もあります。

また個人年金保険は生命保険のような機能も持っています。

なぜなら保険料の払込期間=年金の受け取りを開始する年齢に達する前に死亡すると、それまで払い込んだ保険料に相当する金額を、死亡保険金として受け取ることができるからです。

個人年金保険の平均年間払込額は「17.9万円」、受給額は「101.0万円」

生命保険文化センターが行なった平成27年度の調査によれば、個人年金保険の平均年間払込額は17.9万円となっています。月換算すると毎月約1.49万円です。

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これに対して個人年金保険の受け取り金額のうち、受け取り開始1年目の金額の平均は平成27年度で101.0万円、月換算で約8.42万円となっています。(世帯あたり)

こうして見ると、払込額にせよ、受給額にせよ、どちらも無理のある数字ではありません。しかし重要なのは「どれくらいの期間、加入していれば、どれくらいの年金がもらえるのか?」です。

例えば明治安田生命の個人年金保険「年金かけはし」という商品は、30歳から65歳までの35年間、毎月2万円ずつ払い込んだ場合、65歳から74歳までの10年間で毎年88.3万円、毎月約7.36万円ずつ受け取れます(2017年10月時点)。

なお、合計の払込額は35年間で840万円、最終的に受け取る年金の総額は883万円なので、およそ5%程度の利回りがついていることになります。

運用の手間がかからない

またこの利回りを確保するための運用は、保険会社が行なってくれます。この「元本より少し増える」「運用は保険会社任せでいい」という点は個人年金保険のメリットです。

個人年金保険のすべてが終身ではない

「え?個人年金保険って死ぬまでもらえるんじゃないの?」と思う人も多いかもしれません。

確かに後で説明するように「終身年金」型の個人年金保険は死ぬまで年金を受け取ることができます。しかし多くの商品が10年などの「有期年金」型の商品となっており、契約する側も有期年金型の商品を選ぶ人が多いようです。

実際、生命保険文化センターの調査でも個人年金保険の給付期間についての質問に、個人年金保険加入世帯中42.7%以上が「10年間」と回答。「終身」と回答したのは15.5%にとどまっています。

この「受給期間が限定されている」という点は、個人年金保険のデメリットの一つといえるでしょう。

個人年金保険には節税効果もアリ!

節税

個人年金保険のメリットの一つに、節税効果が挙げられます。個人年金保険料は、介護医療保険料や生命保険料と一緒に「生命保険料控除」の対象となっています。

それぞれの控除の上限額は以下のとおりです。

所得税 住民税
生命保険料控除 4万円 2.8万円
介護医療保険料控除 4万円 2.8万円
個人年金保険料控除 4万円 2.8万円
合計 12万円 7万円

控除額の計算式は以下のとおりです。(平成29年度現在。一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除共通です。)

所得税の控除計算式
年間保険料 控除額
20,000円以下 全額
20,001円〜
40,000円
(年間保険料×1/2)
+10,000円
40,001円〜
80,000円
(年間保険料×1/4)
+20,000円
80,001円〜 一律40,000円
住民税の控除計算式
年間保険料 控除額
12,000円以下 全額
12,001円〜
32,000円
(年間保険料×1/2)
+6,000円
32,001円〜
56,000円
(年間保険料×1/4)
+14,000円
56,001円〜 一律28,000円

例えば所得税率が10%で、個人年金保険の年間支払保険料等が17.9万円の人の場合、所得税4,000円、住民税で2,800円、合計6,800円ほどの節税となります。

安心をとるなら「定額」、リターンを狙うなら「変額」

投資リターン

個人年金保険の種類はリスクの観点から、大きく2種類に分けられます。すなわち「定額個人年金」と「変額個人年金」です。

定額個人年金はさらに以下の6つのタイプに分けられます。

定額の6タイプ 概要
有期年金 10年、15年など年金を受け取る期間が決まっている。受取期間中に死亡すると、年金の支払いも終了する。
保証期間付
有期年金
基本的に有期年金と同じだが、保証期間中に死亡すると残りの保証期間分の年金・一時金を受け取ることが可能。
確定年金 定められた受取期間中は生死に関わらず、年金が支払われる。
終身年金 死ぬまで年金の支払いを受けられる。ただし死亡すると年金の支払いも終了する。
保証期間付
終身年金
基本的に終身年金と同じだが、保証期間中に死亡すると残りの保証期間分の年金・一時金を受け取ることが可能。
夫婦年金 夫婦どちらかが生きていれば、年金を受け取ることができる。

これらの個人年金保険は保障が手厚くなるほど、元を取るまで長生きする必要があります。

例えば終身年金の中では保証期間付のものが一般的ですが、保証期間付終身年金は保証期間中に死亡してしまうと、遺族は一時金などを受け取れるものの元本割れになる傾向にあります。

とはいえ、定額個人年金は基本的に受け取れる金額が確定しているため、老後資金の金額が大きく変動するリスクは回避できます。

変額個人年金は利回りが期待できる

これに対して変額個人年金は、外貨や国内外の株式・債券、投資信託などを使って保険料を運用し、より大きな利回りを目指すタイプの個人年金保険です。

元本割れのリスクが高まる反面、元本よりも多くの年金が受け取れる可能性があります。また保険料以外にも契約初期費用などの費用が別途必要になる点も、変額個人年金を利用する際の注意点です。

安心をとるなら定額個人年金、リターンを狙うなら変額個人年金と、自分の価値観にあった商品を選ぶようにしましょう。

個人年金保険のリスクは「元本割れ」と「物価変動」

個人年金保険には大きく2つのリスクがあります。

一つは元本割れ。

多くの定額個人年金は受給を開始する年齢より前に取り崩してしまうと元本割れを起こします。変額個人年金に関しても運用による元本割れリスクは常につきまといます。

もう一つのリスクは物価変動です。

運用によって積極的に利回りを求める変額個人年金は別としても、定額個人年金はこのリスクを回避できません。

例えば65歳以降に毎月8万円を受け取る計算で、30年間個人年金保険に加入したとします。ところがこの保険料払込期間中に、物価が10%上昇してしまいました。

すると1万円の商品は1.1万円となります。8万円で8個購入できていた商品が、7個しか購入できなくなるのです。ところが定額個人年金の受取額はあらかじめ定められた金額しか支払われません。これが物価変動のリスクです。

個人年金保険を利用する際は、この2つのリスクに考慮して判断する必要があります。

個人年金保険と確定拠出年金の違いは「節税効果」と「手間」

以下ではここまでの内容を踏まえて、個人年金保険と確定拠出年金の違いを主に「節税効果」と「手間」という切り口から解説します。

給付額など

個人年金保険 確定拠出年金
給付額や拠出額 給付額が決まっている。 拠出額だけが決まっており、給付額は運用実績次第。

節税効果

個人年金保険 確定拠出年金
積立時 最大4万円の所得控除 拠出額が全額所得控除
運用時
  • 定額個人年金については特に関係なし。
  • 変額個人年金の運用益については、運用時は非課税。
全額非課税
受取時
  • 保険料として支払った金額は非課税
  • 退職所得控除
  • 公的年金控除

手間

個人年金保険 確定拠出年金
保険会社が運用してくれる。 自分で運用しなければならない。

確定給付か?確定拠出か?

個人年金保険か確定拠出年金を選ぶかを考えるときに、まず争点になるのが給付額があらかじめ決まっている個人年金保険がもたらす「将来の安心」か、拠出額だけを決めて運用によって給付額を増やす確定拠出年金の持つ「変化への対応力」かです。

これはどちらがいいという問題ではなく、個人の人生観・価値観の問題です。ただし確定拠出年金には給付額を増やせる可能性と同時に、給付額が減るリスクもあるということを理解しておく必要があります。

この点は保険会社の運用によって給付額を増やせる変額個人年金も同様です。

大きく違う「節税効果」

節税効果を比べると、個人年金保険と確定拠出年金の間には大きな差があります。以下、積立時・運用時・受取時それぞれの違いを見ていきましょう。

積立時

個人年金保険は保険料を払い込む際に最大4万円の個人年金保険料控除が受けられます。

これに対して確定拠出年金は拠出した金額全てが所得控除になります。以下の表は所得税率10%の人が、個人年金保険の平均年間払込額17.9万円を積み立てた場合の1年の節税額を比較したものです。

住民税 所得税
個人年金保険 2,800円 4,000円
確定拠出年金 17,900円 17,900円

これだけでも、節税効果においては確定拠出年金が優れていることがわかります。

運用時

運用時については両者に大きな差はありません。

個人年金保険は運用益が出てもそのまま再投資に回されるので課税対象になりませんし、確定拠出年金の運用席も全額非課税だからです。

受取時

受取時の節税効果においても、はっきりとした差はありません。

個人年金保険には特に税制優遇がありませんが、受取時の税金を計算する際に、払い込んだ金額が必要経費として受け取る金額から差し引かれるため、所得税および住民税は大幅に引き下げられます。

一方、確定拠出年金には退職金控除もしくは公的年金控除が設けられています。これらは所得税だけでなく住民税の節税にもつながるため、ほとんど非課税になるという場合も少なくありません。

以上のことから、個人年金保険と確定拠出年金を「節税効果」という切り口で比較した場合、拠出時の節税効果において確定拠出年金が大きく優れているということがわかります。

「ほったらかし」ができるのは個人年金保険の強み

しかし「手間」の面で個人年金保険と確定拠出年金を比較すると、保険会社が運用を請け負ってくれる個人年金に強みがあります。確定拠出年金は企業型にせよ、個人型にせよ、運用商品を決定するのは加入者自身だからです。

「何も考えずに老後資金を準備したい」という人にとっては、個人年金保険の方が気軽に利用できる手段といえるでしょう。

個人年金保険と確定拠出年金を「併用する」という選択肢

最後に個人年金保険と確定拠出年金を「併用する」という選択肢について考えてみましょう。制度上、両者の併用は認められていますが、では併用にメリットはあるのでしょうか。

もし経済的に無理をして併用するというのであれば、あまり大きなメリットは見込めません。確かに老後資金は増えますが、現役時代の我慢が多くなってしまうからです。

しかし確定拠出年金の拠出上限額が抑えられている会社員の方などの場合、「上限額を拠出しても、まだなお老後資金に回せるお金が残っている」という状況が考えられます。

そのような場合に個人年金保険の節税枠を利用するという選択肢が有力になります。

個人年金保険と確定拠出年金のいずれかを利用して、残りを現役時代の生活に回すもよし。

確定拠出年金の補助として個人年金保険を併用し、老後資金を増やすもよし。自分の価値観・人生観に合った選択をするようにしましょう。

どちらが「自分にとって」メリットがあるかを判断しよう

節税効果の面では確かに確定拠出年金が圧倒的です。

しかし人によっては「節税効果などよりも、自分で運用する手間がストレスだ」と感じる人もいるでしょう。

客観的なメリットも大切ですが、最終的に優先するべきは「自分にとって」メリットがあるかどうかです。自分や家族としっかり相談して、ベストの結論を出しましょう。

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