株や配当って確定申告が必要?申告義務や節税、注意点について
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株を始めたばかりで確定申告がわからない。
調べたけど、難しいことだらけ。
初心者からベテランの人まで、確定申告についてわかりやすく説明します。

株や配当の損益は確定申告が必要か?

投資していると、儲かっていたり、損していたり、配当をたくさんもらっていたりと、人それぞれの状態になっていると思います。

確定申告をするか否かは、その人の状況によりますが、1月から12月の取引に応じた損益や、証券口座の状態によって、以下のように分けられます。

  • 確定申告の義務がある人
  • 確定申告をした方がいい人

まずは、このうちのどれに当てはまるかをチェックして、それぞれについて説明していきたいと思います。

まずは証券会社ごとの損益状態を把握しよう!

自分がどれに当てはまるのかを確認していきます。

証券口座を確認する

まずは自分の証券口座を確認します。

複数の証券会社に証券口座があって、それぞれで取引をしている人は全部明らかにしてください。

そして、その口座が以下の3つのうちのどれであるかを確認します。(証券会社のHPなどで確認できるはずです。)

  • 特定口座(源泉徴収あり)
  • 特定口座(源泉徴収なし)
  • 一般口座

証券会社ごとの損益を把握する

次に証券会社ごとの損益を把握します。

特定口座の場合、証券会社ごとの損益は、株の取引による損益と配当収入が損益通算されて、年間分の損益は1月に確定します。

確定した内容は各証券会社からメールなどでアナウンスがあり、HPなどで確認できると思います。

ここまでで、証券会社の数、証券口座の種類、証券会社ごとの損益が把握できたと思います。

例えば、以下のような感じに把握できたと思います。

証券会社 口座 損益
A証券会社 特定口座(源泉徴収あり) +10万円
B証券会社 特定口座(源泉徴収なし) +5万円
C証券会社 特定口座(源泉徴収あり) −3万円

なお、税務署や市町村の住民税担当課へ問い合わせる場合に、このことを把握しておくとスムーズに回答が得られると思います。

これらを踏まえて、確定申告についての要否を説明していきます。

確定申告をする必要がない人

  • 証券口座がすべて「特定口座で源泉徴収あり」
  • 1年間の収益がすべての口座でプラス(配当収入も含めて)

この2つの条件に当てはまる場合は、確定申告の義務はありません。

さらに、「特定口座(源泉徴収なし)」または「一般口座」の場合は…

  • 会社員で給与を1箇所のみからもらっている
  • 株や配当の収入が20万円以下

この場合は確定申告の必要はありません。

サラリーマンで株の取引を少ししたいけど、20万円以上の利益は出ないように計算している人などは、節税になる方法です。

源泉徴収ありの口座だと20万円の利益が出た瞬間に4万円の税金が徴収されてしまいますが、源泉徴収がない口座の場合は年間の利益が20万円以下の場合は課税されずにすみます。

ただし、住民税については申告義務は免除されません。

また、配当収入がある場合は確定申告をすることで節税ができる可能性があります。

配当収入の節税についてはこちらをご覧ください。

確定申告をしなければならない人

確定申告をしなければならない人は、収益があるのに源泉徴収などで税金の支払いが完結していない人です。

例えば…

  • 証券口座が「特定口座で源泉徴収あり」でなく、給与以外の所得が株や配当収入を含めて20万円を超える。

といった人が該当します。

「特定口座(源泉徴収あり)」以外の口座で取引していて、利益が出ている人は、確定申告をしなくてはいけないと考えておいた方がいいでしょう。

確定申告をした方がいい人

確定申告をする義務はないけれど、した方がいい人がいます。

なぜかというと、確定申告をすることで税金が少なくなるからです。

利益が出ている人はマイナスの口座と損益通算で節税ができる

確定申告をした方がいい人は以下の人です。

  • 複数の証券口座(特定口座(源泉徴収あり))を持っていて、証券会社単位ではプラスやマイナスがある人(トータルでプラス)

この場合、プラスの口座では利益の20%ほどが源泉徴収されていますので、確定申告をすることでマイナス分に応じた金額が還付されます。

例えば、100万円の利益が出ている口座と50万円のマイナスが出ている口座がある場合、以下のように税金が徴収されています。

利益 源泉徴収
A証券口座 +100万円 20万円
B証券口座 −50万円 0円

このまま確定申告をしないでもいいのですが、20万円の税金が取られたままになってしまいます。

確定申告をすることで、A証券口座の+100万円とB証券口座の-50万円が損益通算されて、+50万円の利益となり、10万円の税金が戻ってきます。

注意点

確定申告をすることで株や配当の所得が、申告した人の所得に換算されます。

所得に換算されると専業主婦などで扶養に入っている人は、所得税、住民税、健康保険の扶養から外れる可能性があります。

注意したいのは、以下の金額です。

  • 利益が38万円を超えると税務上の扶養からはずれてしまい、配偶者の所得税や住民税が増えます。(配偶者の収入によりますが、7万円〜20万円程度が増額になります。)
  • 利益が130万円を超えると社会保険の扶養から外れてしまい、国民健康保険への加入、国民年金保険料の支払いなどが考えられます。(年間で30万円程度は取られる可能性があります。)

また、自営業の人は国民健康保険料や国民年金の金額が増えてしまったりするので、注意が必要です。

ただし、このことを避けるために住民税だけ別の申告を提出することができます。

税務署には確定申告を出して、お住いの市町村に対して住民税の申告書を提出するということです。

こうすることで、以下のような状態になります。

  • 所得税は損益通算で節税ができる
  • 住民税では損益通算できないが、扶養の問題がなくなる

つまり、ここで考慮すべき点は…

  • 住民税で損益通算できないときの金額
  • 扶養を外れることによって支払う金額

どちらの金額が大きくなるのかを考慮して、得する方を選択することが重要です。

このことについては、自分で計算しつつお住いの住民税担当課などで相談してみるといいと思います。

利益が出なかった人は翌年度以降に節税できる

証券口座が特定口座(源泉徴収あり)で、トータルがマイナスになっている人の場合、確定申告をすることで、翌年度以降(3年間)に利益が出た場合に、利益からマイナスを控除することができます。

注意点

マイナスになった場合の繰越申告は所得税の還付申告になるので、利益が出た年に過去のマイナスを申告すれば良いのですが、住民税では毎年マイナスの申告をしないといけないことになっています。

これまでは、住民税でも所得税に合わせて、利益が出た年に過去のマイナス分の申告があった場合は、所得税と同様に還付を行なっていました。

ただし、住民税では適法でない運用が少し問題視されている状況もあります。確実にマイナスを繰り越したい場合は3月15日までに申告することをお勧めします。

また、利益が出た年にマイナスの繰越分を控除する場合、繰越控除前の金額が所得換算されます。つまり、その年の利益となった金額が所得換算されるのです。

所得換算されると上記の扶養がはずれるといった影響がありますので、注意してください。

まとめ

株や配当に関する確定申告や節税について説明してきました。

日本の証券税制はかなり優遇されています。

制度を理解して、余分に支払っている税金は取り戻しましょう。