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事業がうまくいっていれば、節税はあまり気にならないかもしれませんが、無駄に税金を払う必要はありません。
今回は個人事業主の節税について説明します。

生活費の一部を経費にする

これが個人事業主の経費として、もっとも重要でウマミのある部分です。

事業をしていなければ普通に支払っていたものを、事業の経費にできるわけです。

国税庁のHPには以下のような記述があります。

(例)交際費、接待費、地代、家賃、水道光熱費
この家事関連費のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます。
青色申告制度(国税庁)

つまり、家庭のものか業務のものか、よくわからないものはダメで、業務上のものであると明確に区分できることが必要です。

家賃・水道光熱費

家賃の場合は仕事として使っている部屋の面積が部屋全体の面積のどのくらいの広さであるかを計算します。

80㎡の部屋のうち40㎡を仕事で使っているのであれば、家賃の半分は経費になるわけです。この面積の割合というのは、水道光熱費にも使うことができます。(ただし、持ち家のローンは経費になりません。)

部屋の面積のあん分は図面などを使って一度きっちりと計算しておくといいでしょう。計算した際の書類もしっかりと保存しておきましょう。

車関連の費用

車に関する費用も経費になります。仕事に使用する日数や距離などによって、ガソリン代や車検代、保険、減価償却費などをあん分します。

通信費

スマホなどの通信費やスマホ代についても、仕事で利用する割合などから経費にすることができます。

カフェ・食事代

カフェで打ち合わせをしたり、レストランで接待をした場合などは会議代や交際費などで経費にすることができます。

フリーランスの人だと、カフェで仕事をするといったことがあると思いますが、コーヒー代を経費にできるかどうかは、微妙なところがあります。

家賃を経費にしているのに、カフェで仕事をするということについて、合理的な説明があった方がいいでしょう。

例えば、「家のネット回線が調子悪い日にカフェに行った」、「家の目の前で工事をしていて一定の期間、家で仕事ができなかった」など、一時的に利用する場合は最低限のコーヒー代が経費なると考えられます。

書籍代・セミナー代など

業務に関連するものであれば、基本的に経費として計上することができます。

大切なのは、合理的な説明がつくことです。

経費になりそうだから・・ということではなく、何に使った、何の目的で購入したなど、一つ一つに理由があることが大切です。

個人事業主の福利厚生について

旅行に行ったり、スポーツジムへ行ったり、福利厚生として認められるような気がします。

会社員については、福利厚生の名目で様々な支出が経費となりますが、個人事業主については、福利厚生というのは基本的にありません。

この辺は注意しておいた方がいいでしょう。

ただし、家族以外の従業員を雇っていて、従業員全員がスポーツジムなどに通うことができるという場合は、福利厚生費として認められることもあります。

個人事業主の場合、個人の楽しみで何かをしても福利厚生とはならないと考えておきましょう。

青色申告をすることで節税の幅が広がる

青色申告と聞くと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。

税理士さんにお願いしなくても会計アプリなどを利用することで、簿記の知識がなくても、簡単な入力だけで必要な帳簿が作成されます。

これで青色申告の要件となる帳簿を満たすことができるのです。

青色申告の手続き

青色申告者になるには税務署への届け出が必要です。

その年の3月15日、または開業してから2ヶ月以内に青色申告承認申請書を管轄の税務署へ提出します。

事業を始めてからある程度期間が経っていても申請できますが、申請の時期によっては翌年の確定申告からとなります。

青色申告をする場合は、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳などの必要な帳簿をつけなければなりません。

ただし、フリーランスなどの人は現金出納帳と経費帳のみで問題ないでしょう。

帳簿については、会計ソフトなどがやってくれますので、事前に会計ソフトなどを確認しておきましょう。

青色申告をすることで、以下の節税が受けられます。

青色申告65万円控除

青色申告者として認められれば、事業収入から65万円の控除をすることができます。

所得税と住民税の税率だけ考えても、20万円近くの節税になるはずです。

青色事業専従者給与

生計が同じ家族が、専業で仕事を手伝ってくれている場合、家族に支払う給与が経費となります。

この場合、たまに手伝うというレベルではなく、「専従者」というように、メインで仕事をしてくれている必要があります。

この経費の金額には上限がありませんが、あまりに高額の給与を支払っていると不自然ですので、一般的に給与としてふさわしい金額を経費にすることが大切です。

ただし、専従者給与をもらっている親族は、配偶者控除や扶養控除の対象にできませんので、注意してください。(多くの給与を与えると、その親族の社会保険料なども高額になるので注意が必要です。)

少し面倒ですが、事業の収入と配偶者や親族の給与が全体として、どのくらい税金を支払うことになるのかなど、トータルとして考えて計算することが必要になります。

貸倒引当金の計上

青色申告をする場合、貸倒引当金を計上することができます。

事業をやっているとお金が入ってくるタイミングと、収入となる金額が発生する時点に少しずれが出ると思います。

例えば、ある品物が売れたけど、自分の口座にその販売金額が入金されるのは、1ヶ月〜2ヶ月後だったりするでしょう。

この場合、年末時点で収入となるべき金額が決まっているのに、入金がない状態である場合、その金額の5.5%までを貸倒引当金として経費計上することができます。

12月末時点で10万円の収入が発生しているのに、自分の口座へ振り込まれるのが1月20日である場合、この10万円の5.5%(この場合5500円)を経費にできるのです。

ただし、これは翌年には入金されますので、その時点で経費から繰り戻します。そして、翌年の12月時点の未収金を再度計上することになります。

つまり、昨年5500円計上していたものは繰り戻して、新たにその年の未収金の5.5%を計上します。前年の金額と差がある場合は、経費に増減がでますので注意してください。

純損失の繰越しと繰戻し

事業で赤字になってしまった場合は、赤字の金額を3年間繰り越すことができます。このことで、翌年に黒字になった場合は、前年の赤字の分を控除することができるので、その分税金を少なくすることができます。

また、前年が黒字で今年が赤字だった場合、前年の黒字額を相殺して、昨年に支払った所得税の還付を受けることができます。

少額減価償却資産の一括経費参入

個人事業主にとって固定資産の管理や減価償却はかなり面倒だと思います。

30万円未満の固定資産であれば、一括経費処理が可能です。つまり、通常の経費と同様に全額を経費として扱えばいいのです。

例えば、パソコンです。ちょっといいノートPCだと40万円くらいするものもありますが、そこを30万円未満に抑えることで経費処理が簡単になりますし、利益が出た年の年末にPCを購入するといったこともできます。

なお、地方税の固定資産税には償却資産というものがあり、有形の固定資産で150万円以上の場合は税金が課せられることになります。

高額な装置などが例ですが、PCが複数台あって1月1日現在の帳簿価格が150万円以上の場合は、お住いの市町村へ申告する必要があります。

個人型確定拠出年金、小規模企業共済などによる節税

健康保険や国民年金以外の社会保険に准ずるものとして、節税になるものがあります。

それが、個人型確定拠出年金、国民年金基金、小規模企業共済などです。

個人型確定拠出年金(iDeCo)

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは、個人が資産を運用することで税制上の優遇を受けられる制度です。

掛金は基本的に60歳まで引き出すことはできませんが、個人事業主の場合、最大で月額68,000円(年間で816,000円)を拠出することができるので、とてもメリットが大きいです。

iDeCoで運用するものは、投資信託のほか、元本が保証された預金もあります。

掛金は全額所得控除になりますので、年間の掛金が80万円なら、所得税と住民税の税率が合わせて20%なら16万円、30%なら24万円もの節税になります。(収入が大きければ節税効果はもっと大きくなります。)

また、運用していく上で利益が出た場合はその利益に対して課税されないのも大きなメリットです。

基本的に途中解約はできませんが、特別な事情で解約することになっても、運用資産は全額返却さえれます。(一部手数料などが引かれることがあります。)

国民年金基金

月額68,000円(年間816,000円)までの掛金を拠出できます。(ただし、拠出の限度額はiDeCoとの合計額になります。)

iDeCoと異なり、一部は年金形式で死亡するまで給付があるのが特徴です。

こちらも掛金は全額所得控除となります。

小規模企業共済

小規模企業共済は退職金の積み立て制度で、掛金は全額所得控除となります。

毎月7万円まで拠出することができますので、年間で84万円の所得控除を受けることができます。

事業を廃業した場合などは途中で解約することも可能ですが、支払い期間が20年に満たないと、解約金が少なくなるどのことがありますので、注意してください。

小規模企業共済(中小機構)

中小企業倒産防止共済掛金

中小企業倒産防止共済掛金(経営セーフティ共済)とは、倒産防止のための貸付を受けることができる制度です。

加入するには、毎月5,000円から20万円までの掛金を支払うのですが、その全額を事業の必要経費に計上できます。したがって、最大で240万円の経費計上ができるのです。

貸付の金額は納付した掛金の10倍まで(最高8000万円)となっています。

また、掛金は40ヶ月以上拠出することで、全額が解約手当金として払い戻される仕組みになっています。(12ヶ月未満の場合は掛け捨てとなります。)

中小企業倒産防止共済掛金(経営セーフティ共済)(中小機構)

まとめ

個人事業主はこれから法人になって多くの税金を収めることになるかもしれない人たちです。

国としても成長してもらえるようにと、様々な優遇制度を設けています。

ですので、それらの制度をしっかりと理解して、事業を有利に展開できるようにしましょう!