認知症、要介護になったらどうする?終活で元気なうちに想定しておこう
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今回は自分が認知症や要介護になった場合、または最期を迎えるにあたって、どのようにすべきなのか、といったことについて解説します。
健康なうちに決めておかないと、その時には自分の意思が働かない可能性もありますので、しっかりと読んで見てください。

自分らしい最期を迎えるために

年を重ねると、否が応でも自分の最期について考えることが多くなります。

いつか必ず来るその時に備えて、最近は終活を行う人が増えていると言われていますが、終活と聞くと多くの人は、自分が死んだ後の財産分与や葬儀の内容、遺品の仕分けなどを決めておく、いわゆる生前整理を思い浮かべるのではないでしょうか。

もちろん、それらをきちんとしておくことは、遺された家族を混乱させないためにはとても大切なことと言えるでしょう。

しかし終活は、自分の身の回りを整理することだけを指すのではありません。

もし、ある日突然、あなたが倒れて意識がなくなってしまったら?

気が付かないうちに認知症が進んでしまっていて、要介護状態になってしまったら?

最期を迎える日までの治療や介護で、あなたの気持ちを汲み取ってもらうことはできなくなってしまいます。

それを避けるためには、終活では自分が今後受ける医療についても考える必要があります。

告知について

誰しも穏やかな最期を迎えることを願いますが、現実は厳しいもの。

今や2人に1人がガンになる時代とも言われているため、ちょっとした体調不良だと思ってかかった病院で、思いもしなかった入院生活を余儀なくされることもあるでしょう。

病気が死に関わるものだった場合、病名や寿命を知りたいと思うかどうかは個人によって大きな差がありますが、事前に「病名は知らせて欲しいけれど、寿命までは知りたくない」と伝えておけば、その希望通りに時間を過ごすことができます。

もちろん、寿命の告知を受けた方が、残された時間を大切に、精一杯生きることもできると考える人もいるでしょう。

家族にとって、本人が自分の病気をどこまで知りたいのかは簡単に推し量れる部分ではないため、明確にしておくことで、自分だけではなく家族の負担も減らすことができます。

延命治療について

人の体は死が近づいてくると、自然と食物を受け付けなくなりますが、そうすると必要な栄養が摂れなくなるため死期が早まってしまいます。

それを避けるために、点滴や胃ろうなどによって人工的に栄養を注入するのが延命治療になります。

また、自分の力では呼吸が難しくなってきた時に、人工呼吸器によって心肺機能を維持するのも延命治療になります。

大きな病気などがなくても、高齢者になると体の機能が低下してしまうため、このような事態に直面することは珍しくありません。

その場合、家族であれば少しでも長く生きていて欲しいと願い、医師に延命治療をお願いすることが多くなります。

しかし、こうした治療が果たして本当に本人の望むものなのか、または人工呼吸器や人工栄養によって生かされている状態は、人間の尊厳を損なうものではないのかという議論が活発に行われるようになり、延命治療を受けさせるのは自
分のエゴではないのかと、家族がひどく悩むケースが増えていると言われています。

家族に精神的負担をかけないためにも、延命治療の有無については健康なうちに話し合い、結論をつけておくことが大切になります。

治療を受けない選択について

残された時間を少しでも自分らしく生きるために、病気の治療ではなく病気による痛みや苦痛を取り除くことに重きを置いた看護をターミナルケアと言います。

ターミナルケアは、これ以上の積極的な治療が難しいと判断された患者に対し、選択肢の一つとして医師から提示されますが、認知症などで寝たきりとなり、食事が摂れなくなった場合にも開始されることが多いようです。

本人にあらかじめ何らかの意思表示がなければ、ターミナルケアを開始するのは家族の判断となりますが、ターミナルケアは言わば治療を受けないという選択をすることになるため、その判断を家族が下すのは非常に難しいと言えます。

そのため、延命治療とは別に、ターミナルケアを開始する具体的な状況や、病気が進行した場合にどのような治療を望むのかを家族に伝えておくことが必要になります。

※似たような言葉に緩和ケアがありますが、緩和ケアは主にガン患者に適用されるケア方法の一つで、ガンの初期段階から治療の一部として行うものになります。

人生の質の向上という意味ではターミナルケアと通じるものがありますが、終活で考える場合は終末期における治療の有無を意思表示するターミナルケアが適切と言えます。

臓器提供について

臓器提供とは、自分が脳死もしくは心臓が停止して死が確定した後に、臓器を必要としている人(レシピエント)に臓器を提供することを言います。

なお、臓器提供の意思表示には、臓器提供をするという意思だけではなく、臓器提供をしないという意思も含まれます。

病気や事故などによって脳死と診断された場合、医師からは家族に臓器提供の選択肢があることを知らされますが、この時に明確な本人の意思表示がないと家族はどうしたらよいのか悩んでしまうことになります。

臓器提供の意思を示すには、臓器提供意思表示を始め、運転免許証、マイナンバーカードへの記入の他、インターネットによる意思登録が可能となっています。

献体について

献体は、死後に遺体を医学の研究のために解剖に利用することを言います。

自分の体を、同じ病気で苦しんでいる人のために役立てて欲しいと考える人もいますよね。

しかし、だからと言って献体は本人の意思だけで行えるものではありません。

なぜなら、献体として遺体を団体に送ると、半年から3年程度は遺骨が遺族の元へと戻らないからです。

そのため、生前に献体を希望する場合は、本人の承諾以外にも家族の承諾が必要となります。

献体を希望する人は、あらかじめ家族とその旨を話し合い、納得をしてもらうことになります。

自宅で最期を迎えることについて

最期は慣れ親しんだ自宅で迎えたい。

このような希望を持つ人は多いと思います。

しかし、実際に自宅で最期を迎えるには、事前に考えておかなければいけないことがあります。

まずは、在宅医療を行ってくれる医師がいることが必要になります。

自宅で最期を迎えることを希望する人が増えている一方で、在宅医療を行っている医師の数はまだまだ少ないのが現状です。

そのため、往診してくれる担当医がいない状態だと、自宅で急変した場合に救急車を呼ぶことになってしまい、結果、搬送された病院で延命治療を受けることを余儀なくされてしまうケースもあります。

また、本人が自宅での看取りを希望していても、家族が受け入れてくれなければ叶えるのは難しいと言えます。

介護や医療を家族が行う以上、ある程度の知識が必要になってきますし、場合によっては付き添いのため仕事を辞めなければいけないこともあるかも知れません。

このようなことから、自宅で看取ってもらうには、医師と家族の両方の協力が必要不可欠となります。

自宅介護の経済的な負担

自宅で介護や医療を行う時は、介護しやすい環境や設備を整える必要が出てきますが、すべてを自費で用意するのではなく、介護保険給付の対象となっているものもあります。
とは言え、住宅のリフォームなどを含む一時的な費用の合計は平均69万円、各種介護サービスを受ける場合には1ヵ月の平均が7.8万円となっており、自宅での看取りを可能にするには、しっかりと蓄えを準備しておく必要があります。

介護施設の入居も検討

寝たきりや認知症になったら、家族に面倒をみてもらうのではなく、介護施設に入居したいという人もいますよね。

しかし、実際に介護が必要な状況になってから施設を探すのでは、遅すぎると言わざるを得ません。

自分が将来入居する介護施設は、元気なうちに家族に同席してもらって探すようにしましょう。

その際、パンプレットのみで決めるのではなく、体験入居をしてみて実際にそこで生活をしてみることをお勧めします。

それで本人が納得した施設であれば、家族も将来安心して預けることができます。

準備しておくとよいもの

寝たきりや認知症などで意思表示ができなくなった場合には、上でご紹介したような事項の確定が難しくなってしまい、家族に大きな負担をかけることになってしまいます。

そのため、終活では自分が受ける医療についても考えていく必要があるとしましたが、それを文章として示す方法に事前指示書があります。

事前指示書には、本人が延命治療の有無など、主に医療の希望を盛り込むもの(リビングウィルなど)と、本人に意思決定ができなくなった場合に、変わりに意思決定をする人を本人が指名する医療判断代理委任状があります。

ただし、一般的なリビングウィルでは、終末期医療における限られた治療に対する希望のみを記載することが多く、あらゆる病気のケースを想定した意思表示ではないことから、ガンなどの病気以外に罹患した場合は治療の方法が変わっ
てしまうため、本人の意思が反映しにくくなってしまうことがあります。

そこで、医療に対する希望を示すなら、リビングウィルだけではなく、医療判断代理委任状も準備しておいた方が確実です。

両方を備えておけば、仮にリビングウィルに記載されていない事柄が発生した場合でも、代理人の判断によってより本人の希望に沿った形で治療を受けられる可能性が高くなります。

ただ、その分、代理人の選考には十分時間をかけ、自分の意思をしっかりと汲み取ってくれる人を選ぶ必要があります。

なお、事前指示書は一度書いたらそれが永久に効力を発揮するものではない(そもそも事前指示書には法的な効力はありません)ので、気持ちが変わるたびに何度書き直しても構いません。

最近は終末期医療を受ける際の入院時や、介護施設への入居の時に事前指示書の添付を行っているところも増えています。

エンディングノートとの違い

エンディングノートとは、自分の意思や希望を伝えるために利用するノートのことで、医療に関すること以外にも、財産のことや、葬儀のこと、または人生を振り返るような内容を書いても構いません。

ただし、どの項目についても法的効力がないため、財産分与については別に遺言書を作成しておくのがよいでしょう。

エンディングノートは、事前指示書よりももう少しラフな気持ちで、自分の最期の日と向き合うためのものと考えるとよいでしょう。

まとめ

今回は終活の中でも、自分の最期を意識した少し重めのテーマでした。

誰でもいつかは死を迎えることになります。

それまでの過ごし方はとても重要ですし、元気なうちに自分の意思を残しておくことが大切です。

家族と話ながら、いろいろと考えて見るといいでしょう。