CFP試験に1回で6課目合格しましたが、範囲が広くて勉強はかなり大変でした。今回は私の体験を踏まえて、勉強法や過去問のやり方をお伝えしたいと思います。
勉強法は大きく3つある
CFPに合格するための勉強法には大きく3つあると考えています。
- 講座の受講+過去問
- テキスト+過去問
- 過去問の問題集
一つずつ簡単に説明します。
1. 講座の受講+過去問
実はこれが私の方法です。
CFPに1回で合格するという気持ちがあったので、決意表明の意味も含めて講座を受講しました。
講座は数万円から20万円程度のものがあるようですが、私が受講したのはLECのオンライン講座です。
10万円ほどの講座なのですが、割引があって7万円ほどでした。
講座を受けて、直接的によかったと思う主な点は以下のとおりです。
- 頻出問題の効率的な解き方を教えてくれる。
- 重要なポイントとそうでない部分を区別して解説してくれる。
- 法改正について説明してくれる。
解き方、ポイント、法改正など、自分で調べたりしては時間がかかる部分を端的に教えてくれたと思います。
講義を聞いただけでは問題を解けるようにはなりませんが、試験範囲全体をイメージできるので、学習が効率的になったように思います。
また、講座のおかげもあって、金融の課目で私が暗記した公式は2つです。仕組みを理解することで、無駄に覚える必要がなくなり、応用も効くようになりました。
過去問について
講座の他に過去問集を6課目分、3回分ずつ購入しました。
過去問集の金額は以下のとおりです。
1冊770円 × 18冊 = 13,860円
過去問集は、私の場合は過去3回分にしましたが、余裕があれば4回分やってもいいと思います。
講座+過去問の勉強法は、3つの勉強法のうち、もっともコストがかかる方法ですが、その分、勉強時間の短縮になると思います。
2. テキスト+過去問
テキストを利用して勉強する場合は、日本FP協会のものを利用するのが一番いいと思います。
CFPの試験問題を作成しているのは、日本FP協会ですから間違いないでしょう。
ただし、AFPやFP2級の勉強で利用したテキストを持っているのであれば、それでも十分に対応できると思います。
テキストを利用する場合は、まず、一通りさっと読んでしまいます。熟読して理解しながら読むことは、あまりお勧めできません。
全体をざっと把握して、あとは問題をやりながら、必要なところだけ把握すればいいのです。
出題されない部分も多くありますので、その部分は勉強する必要はないということです。
また、最初からマーカーを引くのもあまり良くないです。最初は重要に思えた箇所も後から見たら簡単な箇所であったり、重要でなかったりすることがあります。
目的は試験に合格することで、キレイにマーカーを引くことではありません。
まず一度読んだら、過去問に入ってしまいましょう。
過去問をやりながら、わからない時に辞書的に使用して、その問題の周辺の知識をしっかりと得られるようにします。
このようにして使うことで、自然と必要な部分だけを理解していくことになります。
なお、日本FP協会のCFP資格標準テキストは1冊あたり2,530円です。
2,530円 × 6課目 = 15,180円
となり、過去問3回分を加えた場合は・・
11,664円 + 13,600円 = 25,264円
となります。
3. 過去問の問題集
日本FP協会認定教育期間であるFPK研修センターが出版している「CFP受験対策精選過去問題集」という問題集があります。
この問題集は評判がよく、試験会場でも使っている人を多く見かけました。
過去5年の間に試験に出た問題を厳選して、類似問題を統合し、250問から300問程度にまとめた問題集です。
この問題集だけを勉強して合格した人もいるようです。
1年に2回の試験があり、1回の試験で50問出題されますので、過去5年分だと500問になります。そのうちの5割〜6割程度を掲載していることになります。
これは、かなりの分量だと思います。
私は3回分の過去問を勉強しましたので、1課目あたり150問ということになります。
しかも、1回の過去問にかけた時間は最初は10時間近くになりましたので、300問をしっかりやるとかなり疲れる気がします。
それと、テキストのようなものがないと、問題の周辺の知識を確認できないので、その辺はどうするのかなと思ってしまいます。
ただし、多くの問題を解くことで問題のクセなども含めて、身につけることができるのだと思います。
問題集は1冊3,900円ですので、6課目で以下のとおりです。
3,900円 × 6課目 = 23,400円
過去問集の勉強方法
勉強方法を決めたら、それぞれのやり方で勉強を進めていきます。
講座を受講する人は、まずは講座を受けてみること、テキストで勉強する人は、まずはテキストをざっと読むことです。
そして、上記の1と2の場合は、過去問集をメインにして勉強を進めていきます。
過去問はコピーしてからやった方が効率的でいいと思っています。勉強を効率良く進める方法や、過去問のコピー方法はこちらの記事を参考にしてください。
ここでは、過去問の具体的な勉強方法を記載していきます。
過去問で勉強をする上で、私が重要だと考えるのは以下の点です。
- 毎回時間を測ること。
- 4つの選択肢全ての内容を理解する。
- 理解した問題も繰り返し解くこと。
- 理解していない問題は、その周辺の知識も合わせて理解すること。
- 苦手な問題は自分でノートを作る。
時間を測りながら問題を解き、その内容をしっかりと把握します。繰り返し問題を解いて、どうしても苦手な部分は自分なりのノートを作って、理解を深めていきます。
一つずつ、簡単に説明していきます。
1. 毎回時間を測ること
CFPの試験は2時間ですが、50問解くためには1問を2分半程度で解く必要があり、課目によっては時間に余裕がありません。
私の場合、本番の試験では金融とリスクは時間ギリギリでの終了となり、まったく見返すことができませんでした。
過去問を繰り返し解いていくと、同じ問題なのでしだいに早く解けるようになるのですが、それでも毎回時間を測って、どれくらいの時間で解けるようになっているか確認します。
3回目なのに2時間ギリギリだった場合、本番の時間配分について何らかの作戦を練った方がいいと思います。
また、時間を測って問題を解くことによって、集中力を持続させる練習にもなります。
2. 4つの選択肢全ての内容を理解する。
CFP試験の問題は、4つの選択肢から1つを選んで解答するものです。
正解は一つなので、その一つだけ理解すれば良いかというと、そういう訳ではありません。
正解ではない選択肢についても、どこが誤っているのかを理解することが大切です。
こうすることで、1問につき4つのことを学習できます。本番の試験で、そのうちの一つでも出題されれば、有利に問題を解くことができます。
3. 理解した問題も繰り返し解くこと。
理解した問題をあえて何回もやるのは時間の無駄では?と思うかもしれませんが、理解しているのであれば、すぐに解けるはずですので、勉強時間のロスにはならないはずです。
むしろ、繰り返すことで、より理解が深まると思います。また、頻出問題ならば確実に取れるようになります。
毎回出題される計算問題についても、「もうできるようになったからいいか」と考えず、毎回解きましょう。
例えば、不動産で出題される計算問題などは簡単ですので解答できて当然です。解答できるだけでなく、素早く正確に解答を出せるような練習が必要です。
繰り返し解くことで、素早く解く方法がわかってきますし、電卓の叩き間違えも減ってきます。
4. 理解していない問題は、その周辺の知識も合わせて理解すること。
過去問をやっていると、毎回できない箇所、苦手なわかってきます。
そういった場合、その問題に関する周辺の事項も含めて、頭に入れてしまい、得意な問題にしてしまいます。
私の場合、建築基準法の「高さ制限」がなかなか頭に入らなかったのですが、その部分をしっかりと勉強することで、問題を解くのが得意になりました。
5. 苦手な問題は自分でノートを作る。
どうしても覚えにくいものや、こんがりやすい内容は、自分で覚えやすいようにノートを作っていました。
ノートといっても、表計算ソフトを使って自分が覚えやすい表をつくることや、テキストファイルにメモを書いていくという簡単なやり方です。
そして、そのファイルはドロップボックスなどの共有ファイルに格納しておきます。
そうすることで、スマホからでも確認できるので、外出先でもすぐに見ることができますし、試験当日の休み時間にも復習ができます。
例えば、私は所得税の居住用財産の譲渡、各種年金の要件や加算の条件などが覚えにくかったのですが、自分なりの一覧表を作ることで、記憶しやすくなりました。
表を作ると、その表が映像で頭に残ってくれたりするので、「表のこの部分に書いてあったな」という具合に記憶から引き出すことができます。
面倒かもしれませんが、苦手な箇所ほど丁寧に自分なりの表などを作った方がいいと思います。
過去問をやる上での注意点
過去問を解く時には注意しなければならない点があります。それは法改正などの事項です。
場合によっては一つ前の過去問であっても、法律改正によって現在の法律では異なる解答になってしまう問題があります。
なお、CFPの試験は試験の実施日によって、法令の基準日が異なります。試験による基準日は以下のとおりです。
- 6月の試験・・その年の1月1日
- 11月の試験・・その年の4月1日
基準日に施行されているものが、試験範囲になります。
注意しなければいけないのが、法改正ではなく、「施行」という点です。
例えば、平成29年度の税制改正大綱で示された配偶者控除の改正は、平成29年中に法律は改正されていますが、その実施は平成30年分以後の所得税からとなりますので、平成30年1月1日からの施行となります。
つまり、CFPの試験範囲となるのは、平成30年6月の試験からとなります。平成29年の試験範囲にはなりませんので、勉強しても意味がないことになります。
また、法律の施行日は一般的には4月1日からとなるものが多いのですが、税制については、所得税のように1月から12月を一つの単位としているものが多く、1月1日が施行日となるケースがありますので、注意してください。
こういった点は、過去問をやっている中で必ず気づくはずです。おかしいなと思ったら、必ず省庁などのHPで確認してください。
パソコンかスマホを使いながら勉強する
過去問をやっていると多くの問題で、疑問点が出てきます。
テキストなどを使って、疑問を解きながら理解していくのですが、テキストでは不足している点もあります。
また、もう少し知りたいとか、テキストだと探しづらいとか・・そういったこともあります。
ですので、パソコンを横において勉強するのがいいと思います。
わからないことは、グーグルで検索すればすぐに答えが出てきます。
さらには、法改正などもすぐに確認できます。
例えば、税制改正について「配偶者控除 改正 国税庁」などと検索すれば、国税庁のサイトの該当箇所が出てきますので、正確な情報を得られます。
6課目一度に受験するメリットがある
6課目を一度に受験して合格するのは、とても大変なのではないか?と考える人もいると思いますが、6課目を一度に受験するメリットは大きいです。
過去問を一度でもやったことのある人ならわかると思いますが、各課目の試験範囲は結構ダブっているんです。
例えば、確定拠出年金やNISAなどの問題は、金融、タックス、ライフの3つの課目で出題されたりします。ちゃんと理解しておけば、どの課目でも点数が取れるわけです。
こういった箇所は他にもたくさんあります。6課目全部とは言いませんが、ある程度まとめて受験するとトータルの勉強時間が少なくなると思います。
まとめ
私なりの勉強法を説明してきました。
私は6課目を一度に受験しましたので、ツライ時期もありましたが、それでも一つ一つを理解できるまで丁寧に勉強していったのがよかったと思います。
私の勉強法が少しでも参考になればと思います。