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不動産運用設計については、得意な人と不得意な人に別れるのではないでしょうか。私は不動産に関する知識があまりなかったので、戸惑いました。そんな私が合格できた勉強法をお伝えしたいと思います。

不動産運用設計の勉強法・勉強時間について

不動産関連の仕事、売買などをしたことがない人にとっては、不動産用語は馴染みがなく、最初は問題を読んでもその意味すらわからないという人もいると思います。

私もそんなレベルからスタートしました。

勉強する意識としては、自分が将来的に不動産を売買するようなことを念頭において、具体的にイメージしながら勉強をしていくといいと思います。

また、毎年確実に出題されている計算問題などがありますので、対策が立てやすいと思います。計算問題に慣れてくれば、時間にもゆとりが出てきますので、本番でも見返す時間を持てると思います。

不動産の内容は相続と被る部分が多いです。どちらも相続や贈与、不動産の評価の計算などが出題されますので、一緒に受験するのがおすすめです。

あまり難しく考えず、過去問を繰り返すことで十分に合格点に達すると思います。

勉強時間は、不動産の知識が少ない人の場合は50時間くらいは確保しておくといいと思います。

不動産運用設計の頻出分野について

不動産運用設計では概ね以下のような内容が出題されています。

  1. 土地を有効活用した場合の損益などの計算
  2. 不動産の評価に関する計算
  3. 不動産の広告
  4. 住宅の品質確保の促進等に関する法律
  5. 登記、競売、抵当権など
  6. 借地借家法
  7. 建築基準法(容積率、建ぺい率など)
  8. 贈与税関連
  9. 住宅ローン控除、居住用住宅の譲渡や買い替え特例
  10. 不動産取得に関する税金について
  11. 底地と借地権の交換(計算)
  12. 土地の一体活用(三者によるマンション建設などの計算)
  13. 直近の地価動向

以下にそれぞれのポイントを説明していきます。

1. 土地を有効活用した場合の損益などの計算

例年、最初の方に出題される計算問題で、5〜6問程度あります。

マンションなどを建設した場合の収益、5年間で投資額を回収できるかなどを計算します。

パターン化した問題なので、やり方さえ覚えてしまえば、確実に点数を稼げるところです。

気をつけたいのが、計算ミス、電卓の叩き間違えです。

可能であれば、過去問をやるときに過去問集をコピーして、余白に計算の過程を書いていくような自分なりのやり方を見つけるといいと思います。

本番でも同じように余白を使えますし、計算過程を書いておくことで、計算ミスをした場所を簡単に見つけることができます。

計算箇所が多いので、計算ミスをする前提で対策を立てるといいと思います。

2. 不動産の評価に関する計算

土地の評価額を計算するのですが、問題文には計算方法が記載されています。

ですので、設問を読みながら計算式を作っていけば解答が出るという問題です。

簡単なようですが、慣れていないと時間がかかりますので、過去問でしっかりとパターンを身につけてしまいましょう。

こちらも問題の余白をうまく使って、計算ミスをしたときにすぐにリカバリーできるようにしておきましょう。

3. 不動産の広告

不動産の販売広告が示されますので、その内容について解答をします。

  • 完成前の物件写真
  • 駅からの距離
  • 近所のスーパーの表記など

よく見る不動産広告の内容ですので、わかりそうな感じがしますが、実際の広告には適正でないものもあるようなので、しっかりと勉強して覚える必要があります。

4. 住宅の品質確保の促進等に関する法律

不動産の広告問題と一緒に出題されたりするのが、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)についてです。

品確法は、住宅の品質の確保と、住宅を購入した人の利益を保護することを目的としている法律です。

特に住宅性能評価書という、住宅の評価をするものがあり、この内容について問われることが多くあります。

その他、不動産契約のクーリングオフについても、割と出題されています。事務所で契約した場合、喫茶店で契約した場合、電話した場合など、色々なシチュエーションでの契約について、クーリングオフの可否について問われたりします。

この辺の法律関係は過去問で出ている範囲を押さえておきましょう。

5. 登記、競売、抵当権など

登記簿や登記事項証明書などを見て、解答する問題です。

複数の所有権移転などを経て、現在の持分の割合を答えるような問題もありますが、ほとんどは問題に掲載されている登記簿を見なくても、選択肢を読めば解答できる問題です。

問題に出ている登記内容を読む前に、選択肢から確認して解答をするようにしましょう。

6. 借地借家法

定期借地権、普通借地権、定期借家権、定期借地権の4つに分類できるのですが、それぞれ出題されています。

中でも定期借地権は以下の3つに分類されます。

  • 一般定期借地権
  • 建物譲渡特約付借地権
  • 事業用定期借地権

それぞれの特徴は問われることが多いので、しっかりと把握しておくことが大切です。

また、通常の賃貸契約に適用されるのが、普通借家権です。これについてもマンションなどの賃貸契約書とともに、権利や内容について、問われます。マンションなどの賃貸契約をしたことのある人なら、イメージは付きやすいと思います。

また、これと合わせて、区分所有法についても出題されています。いわゆるマンションの所有に関する法律です。

マンションには所有者の専有部分の他に、廊下やエレベーターなどの共有部分がありますので、そういった部分の権利関係についても出題されています。

区分所有については、マンションを購入した経験のある人にとっては、馴染みのある内容だと思います。

7. 建築基準法(容積率、建ぺい率など)

建築基準法や都市計画法に関するもので、建ぺい率や容積率を把握して、延べ床面積の最高限度を求めるものなどが出題されます。

土地の用途が住宅系か商業系か、また防火地域か準防火地域かによって、容積率や建ぺい率が異なってきます。

パターンは多くないので、問題に慣れればあまり心配しなくてもいいでしょう。

8. 贈与税関連

直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた場合の特例制度というものがあって、その内容についてよく出題されています。

また、相続時精算課税制度もあわせて利用できる制度なので、一緒に把握しておくといいでしょう。

相続の内容と被りますが、一緒に受験する場合は一度に両方の勉強になります。

9. 住宅ローン控除、居住用住宅の譲渡や買い替え特例など

居住用住宅の譲渡、買い替えについては、いくつか制度があり、どれも似たような内容なので混乱すると思います。(私自身もかなり混乱しました。)

一覧表を作成して覚えてしまうことをお勧めします。

また、制度間で併用できるもの、住宅ローン控除と併用可否なども頻出です。

制度内容とともに、併用可否もしっかりと把握しておく必要があります。

10. 不動産取得に関する税金について

不動産に関する税金には、概ね以下のものがあります。

  • 不動産取得税(地方税)
  • 登録免許税(国税)
  • 印紙税(国税)
  • 固定資産税・都市計画税(地方税)

中でも、登録免許税と印紙税は馴染みが薄い人が多いと思います。私はこの2つは直前に暗記して対応しました。

軽減税率などの特例は出題されやすいので、しっかりと把握しておきましょう。

11. 底地と借地権などの交換(計算)

底地と借地権の交換は実際にもあるケースのようで、この問題も定番の計算問題となっています。

最初はちょっと取っつきにくい問題と感じると思いますが、何回もやれば慣れますので、慣れるまでやり込んでください。

12. 土地の一体活用(三者によるマンション建設などの計算)

Aさん、Bさんの土地を合わせて、そこにデベロッパー(企業)が入って、マンションなどを作って土地の活用をしていくという問題です。

土地の評価や建設費をもとに、出資額の割合を求めたりします。

この計算問題もパターン問題ですので、繰り返し解いてやり方を覚えてしまうしかありません。

覚えてしまえば、簡単にできるようになると思います。

13. 直近の地価動向

地価動向の問題もよく出ます。

1問から2問程度ですが、把握しておいた方がいいでしょう。

特によく出題されているのが、地価公示です。

国土交通省のHPに掲載されていますので、試験の範囲になっている年の内容を確認しておきましょう。

【参考】地価公示(国土交通省)

不動産運用設計で注意する点

計算問題は定番問題が多いので、過去問で繰り返し解いて、やり方をマスターしてしまいましょう。

定番の計算問題だけでも10問程度になります。

前述しましたが、計算問題は試験問題の余白をうまく利用して、計算ミスをしたときに振り返れるようにしておくといいです。

過去問をコピーするなどして、対策してください。(過去問のコピーについては、以下の記事を参考にしてください。)

そして、居住用財産の買い替え特例などの所得税の制度、借地権や借家法なども繰り返し出題されている点です。

過去問で出題されているものは、少し広めに学習して、周辺の知識を頭に入れるようにすると、応用が効くと思います。

試験時間はあまる?

計算問題以外は、知っているかどうかになりますので、定番の計算問題をいかに正確に早く解くかによって、試験時間のゆとりが変わってきます。

計算問題はひっかけのような問題は少ないので、ちゃんと解ければ時間に余裕をもって試験が終わると思います。

これまでの試験の合格ライン

合格ライン(50問中)
2019年度11月 30問
2019年度6月 33問
2018年度11月 28問
2018年度6月 30問
2017年度11月 28問
2017年度6月 27問
2016年度11月 29問
2016年度6月 32問

※日本FP協会HPより

まとめ

不動産運用設計は定番の計算問題を押さえて、頻出の箇所をしっかりと頭に入れれば、合格点に達すると思います。

全体を一通り勉強するというより、とにかく過去問を解く方が、試験対策になると思います。

試験範囲は広いので、過去問で効率よく勉強すると成果が出やすいと感じました。