社会人になったばかりだと住民税をいつから納めるのか気になりませんか?ここでは、会社員が住民税を納める時期や、その方法などを説明します。
社会人1年目は納めないでよい理由
「住民税は社会人になった1年目は納めなくていい」
このようなことを聞いたことはありませんか?確かに一理あります。
なぜなら、住民税は前年の収入に対して課税されるからです。
多くの人は社会人になった年には住民税は支払う必要はなく、1年目の給与に基づいて、翌年から支払うことになるのです。
所得税と住民税の違い
同じく収入に対して支払う税金に所得税があります。
所得税は国の税金で、毎月給与から「源泉徴収」されています。
源泉徴収とは、その月に支払われた給与から所得税を計算して、会社が徴収して納めているのです。
一方、住民税は市区町村と都道府県に納める税金です。
納める時期と納め方について
所得税と住民税は大きくは以下のような違いがあります。
- 所得税 … 会社で計算してその結果を毎月納める(源泉徴収)
- 住民税 … 翌年に役所が計算して、その結果の額を天引きして納める(特別徴収)
どちらも給与から引かれて、会社が納めてくれているのですが、上記のように、所得税は、その時に支払われた給与に対する税額になるのですが、住民税は前年の収入から計算した結果に基づいています。
こういったこともあって、住民税は1年遅れの金額を納めることになります。
どちらにしても、会社員であれば、給与天引きによっては会社が納めてくれます。
住民税は6月の給与から天引きが始まる
住民税の計算は役所で行うと記載しましたが、その結果が会社へ送付されるのは、毎年4月から5月頃になります。
この内容に基づいて、毎月、給与から住民税が天引きされます。
新卒で就職した人は、2年目の6月から住民税が引かれていくことになります。
6月から翌年の5月ということで、通常の年度(4月から3月)と少しずれています。
ちなみに、3月に退職した人は、5月までの住民税を一括で納めることになっています。
年末調整との関係
会社で行う税金の手続きとして、年末調整というものがあります。
年末調整とは、毎月源泉徴収されている所得税を精算することをいいます。
源泉徴収税額には生命保険料控除などは考慮されていませんので、年末にそういった控除などを反映させて、所得税を計算しなおすのです。
生命保険料控除の他にも、年の途中でお子さんが生まれたとか、結婚したとかで、扶養親族の数が変更になった場合なども、同様の調整を行います。
このため、12月の源泉徴収税額は年末調整して精算した結果が反映されています。
ただし、医療費控除など、年末調整で調整できないものもあります。
こういった場合は、年末調整した結果が記載された源泉徴収票(年末から年始にかけて会社から配布されます。)を元に確定申告をすることになります。
住民税の計算は源泉徴収票の内容から行なっている
住民税の計算は役所で行なっているといいましたが、具体的には、自分が住んでいる市区町村の住民税担当部署が計算して税額を決定しています。
所得税は会社で年末調整をしたり、自分で確定申告をした金額を納めるのですが、住民税は計算された結果を納めることになります。
どのように計算しているのかというと、源泉徴収票や確定申告の内容に基づいています。
源泉徴収票と同じ内容の「給与支払報告書」、または確定申告書が市区町村へも届きますので、計算ができるのです。
扶養控除や配偶者控除は12月31日の状況で判断される
お子さんが生まれたとか、結婚して配偶者控除を申請したいという人もいるでしょう。
扶養しているかどうかは、その年の12月31日の状況で判断します。
例えば、平成30年1月に結婚して、11月に子供が1人生まれたとします。
この場合、奥さんの所得が38万円以下であれば、平成30年分の所得税、その年の収入を元に計算する翌年度の住民税で、配偶者控除と扶養控除が適用されることになります。
この例では、平成30年12月31日に配偶者であることや扶養していることが基準になります。
ふるさと納税したらいつから税金が安くなるのか?
所得税や住民税は1月から12月を1年として、税金を計算します。
したがって、平成30年4月に行なった、ふるさと納税については、平成31年度の住民税、または平成31年3月の確定申告に含めます。
ですので、平成30年に支払う住民税から控除してほしいのであれば、平成29年12月までに、ふるさと納税をしないといけないのです。
ふるさと納税の時期については、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
まとめ
住民税はいつから納めるのか、そして計算の根拠となる源泉徴収票などについて、簡単に説明してきました。
社会人になったら、住民税を納めることで、住んでいる市町村の事業を支えていることになります。
保育園、道路、公園、消防車、救急車など、様々なところに税金は使われています。
そういった部分を少しでも意識できるようになると、納税者としての自覚が出てくるかもしれませんね。