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今回は年金の基本である国民年金や国民年金基金、小規模企業共済のポイントを説明します。
大切な年金のことだから理解したいと思うけど、難しいですよね。
この記事を読めば確定拠出年金との違いも含めてしっかりと理解できますよ!

自営業者と会社員の大きな違いは「年金制度」

自営業者が老後資金について考える際、最も考慮すべき制度が年金制度です。厚生年金+国民年金の二階建てになっている会社員に比べ、自営業者が加入できるのは国民年金だけだからです。

出典:公的年金制度の概要(厚生労働省)

しかもこの国民年金、掛金は全額自己負担、受給額も少なめと、老後資金の基盤としてはやや心もとない制度なのです。

ただ自営業者も悪いことばかりではありません。自営業者には国民年金以外にも、個人の意思で加入できる年金制度や共済制度が4つもあるからです。

自営業者が加入できる4つの制度

  • 国民年金基金
  • 付加年金
  • 小規模企業共済
  • 確定拠出年金

ここではこれらの違いを解説するとともに、賢く節税して確実に老後資金を貯める考え方を紹介します。

自営業者の老後を支える制度を知っておこう

農家

下表は国民年金を含む、自営業者が利用できる5つの制度です。以下ではそれぞれについて解説していきます。

制度名 概要
国民年金 20歳から加入する、終身型の年金制度。自営業者は加入が義務となる。
国民年金基金 個人の意思で加入。終身型かつ確定給付型の年金制度。掛金額、給付額ともに自由な設計ができる。
付加年金 個人の意思で加入。国民年金の定額保険料に掛金を上乗せし、将来の給付額を増やすことができる。
小規模企業共済 個人の意思で加入。経営者などが廃業・退職時の生活資金を積み立てるための制度。
確定拠出年金 個人の意思もしくは法人の決定で加入。個人の責任で資産として積極的に運用が可能。

国民の義務!国民年金

年金手帳

国民年金は20歳以上60歳未満の自営業者、農業従事者とその家族、学生、無職の人などに加入義務のある「基礎年金」です。

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平成29年度の保険料は以下のとおりです。

  • 1か月・・・1万6,490円
  • 1年間・・・19万7,880円

20歳から60歳までの40年間の保険料を全てきっちり支払い、65歳から受給し始めた場合、年金の年間受給額は77万9,300円(平成29年度時点)となっています。

これは月額に換算すると6万4,941円です。

ただし40年間のうち保険料を支払っていない期間があったり、繰上げ受給といって60歳から受給し始めた場合は、この金額よりも少なくなります。

月額最高の6万4,941円でも、生活費としてはあまりにも不十分です。

死ぬまで受給できるという国民年金の大きなメリット

そのうえ条件次第ではさらに減額されるというのであれば、一見国民年金にはあまりメリットがないようにも思えます。

しかしそれは大間違い。国民年金には受給し始めてから死ぬまで、ずっとお金をもらい続けられるという大きなメリットがあるのです。

民間の保険会社が提供する個人年金保険のほとんどは、年金を受け取る期間に5〜15年といった制限が設けられているものが半分以上を占めます。

これはつまり長生きするほど国民年金の方がお得になる、ということです。ためしに国民年金を毎月6万円ずつ受給し続ける場合と、個人年金保険を毎月9万円ずつ10年間受給した場合の、最終的な受給額を比較してみましょう。

単位:万円
受給期間 5年 10年 15年 20年 25年 30年
国民年金 360 720 1080 1440 1800 2160
個人年金 540 1080 0 0 0 0

※金額は受給開始からの総額。

様々な要因から、今後日本は「人生100年時代」に突入していきます。老後資金を期限付き年金の個人年金保険に頼り切っていると、もし想定以上に長生きした場合に対応できなくなってしまいます。

その意味で国民年金の「死ぬまでもらえる」というメリットは、非常に強力なのです。

また、年間19万7,880円の保険料を支払えばそれだけ所得税と住民税も安くなるので、節税効果も期待できます。

国民年金のデメリット

とはいえ国民年金にもデメリットはあります。

一つはここまで見てきたように金額としては不十分であるという点、もう一つは将来的に受給額が目減りしていく可能性があるという点です。

ただ金額に関しては「死ぬまでもらえる」というメリットがカバーしてくれますし、将来の受給額に関しても近年のデータを見るとむしろ増加傾向にあります。

出典:公的年金受給者の年金総額の推移(厚生労働省年金曲)

以上のことから、多少のデメリットを考えても、国民年金は自営業者にとって必須の年金制度といえます。

国民年金のメリット・デメリット
メリット デメリット
  • 60歳、もしくは65歳から「死ぬまで」もらえる。
  • 節税効果もある。
  • 金額が少ない。
  • 今の現役世代の受給額は、少しずつ目減りしていく可能性がある。

死ぬまでもらえて金額が決まっている「国民年金基金」

老夫婦

国民年基金は国民年金の保険料をしっかりと納めている人が加入できる制度です。

国民年金基金には以下のように様々なプランが用意されており、それらを個人の意思で選ぶことで自由な設計をすることができます。

1口目 A型 65歳支給開始(15年間保証付)
B型 65歳支給開始(保証期間なし)
2口目以降 A型 65歳支給開始(15年間保証付)
B型 65歳支給開始(保証期間なし)
I型 65〜80歳支給(15年間保証付)
II型 65〜75歳支給(10年間保証付)
III型 60〜75歳支給(15年間保証付)
IV型 60〜70歳支給(10年間保証付)
V型 60〜65歳支給(5年間保証付)

※保証期間中に死亡した場合は遺族に一時金が支給される。

掛金額はこのうち1口目に選んだA型・B型いずれかの給付タイプの掛金と、2口目以降に選んだ給付タイプの掛金×口数で計算されます。

また、各給付タイプの1口あたりの金額は、性別と加入時の年齢によって算出されることとなっています。具体的な掛金額や年金の受給額、払込期間については国民年金基金のホームページにある「年金額シミュレーション」を使えば、簡単に計算することができます。

国民年金基金の3つメリット

  1. 国民年金の受給額に上乗せして、死ぬまでもらえるお金を増やせる
  2. 給付タイプの選び方によってライフプランに応じた掛金額・受給額が決められる
  3. 節税効果が期待できる

例えば2口目以降もA型もしくはB型の給付タイプを選択すれば、最期まで確実な生活費を確保できますし、「元気で動けるうちは余裕が欲しいけど、それ以降は少なくても大丈夫」という人は2口目以降にI〜V型を選び分けて掛金額を減らすこともできます。

受給額が決まっていればライフプランも立てやすくなります。また国民年金基金も国民年金と同じく所得税と住民税の節税効果があるため、掛金額を増やせば増やすほど現役時代の納税額は減っていきます。

国民年金基金のデメリット

国民年金基金にもデメリットはあります。それは将来の受給額をあらかじめ決定することによる物価変動リスクへの弱さです。

例えば現時点で将来国民年金基金から毎月3万円の年金を受け取ると決めたとします。それから受給するまでの間に物価が5%上昇したとしましょう。

これは100円のものが105円になることを意味します。すると同じ毎月3万円の年金を受け取っていても、全く同じ生活を送れなくなってしまいます。すなわち受給額があらかじめ決まっているという点は、メリットにもデメリットにもなるというわけです。

このほかにも個人の都合で脱退できない、受給額が掛金額を上回るまで20年程度かかるなども、国民年金基金のデメリットとして挙げられます。

国民年金基金を活用したい場合は物価変動リスクを覚悟したうえ、無理なく続けられる範囲で、かつできるだけ早い段階で利用する必要があるでしょう。

国民年金基金のメリット・デメリット
メリット デメリット
  • 死ぬまでもらえるお金を増やせる。
  • ライフプランに応じて掛金額・受給額を決められる。
  • 節税効果が期待できる。
  • 物価変動リスクに弱い。
  • 予定利率が低い。
  • 受給額が掛金額を上回るまで時間がかかる。

上乗せ納入で年金増「付加年金」

百円玉

付加年金は国民年金の定額保険料に少しだけ保険料を上乗せして、将来の年金を増やすことのできる年金制度です。

上乗せする保険料は毎月400円

これによって増加する年金の受給額は「200円×付加保険料納付月数」で計算されます。

これは、2年以上国民年金を受給し続ければ付加年金の保険料の元が取れるということです。

逆に言えばそれ以下で死亡した場合、損をするということでもあります。加入資格は国民年金基金同様、国民年金の保険料をしっかりと納めている人です。

付加年金の4つのメリット

1. 2年以上の年金受給でプラスになる

第一に前述のように2年以上の年金受給で掛金が得に転じる点。これは個人の人生が長くなっていることを考慮すると、かなりの高い確率で得られるメリットです。

2. 毎月400円で受給額を増やせる

第二に月々400円という少額から老後資金を増やせる点。他の年金制度に比べて圧倒的に少額から始められるので、現役時代の生活に重きを置きたいという人でも活用できます。

3. 繰下げ受給で増額もできる

第三に繰下げ受給によって国民年金の受給額と同率の増額が見込める点。繰下げ受給とは本来国民年金を受給できる65歳ではなく、66歳以降から受給を開始することを指します。現在昭和16年4月2日以後に生まれた方については、以下の増額率が適用されます。

請求時の年齢 増額率
66歳0ヶ月〜66歳11ヶ月 8.4%〜16.1%
67歳0ヶ月〜67歳11ヶ月 16.8%〜24.5%
68歳0ヶ月〜68歳11ヶ月 25.2%〜32.9%
69歳0ヶ月〜69歳11ヶ月 33.6%〜41.3%
70歳0ヶ月〜 42.0%

これがそのまま付加年金の受給額にも適用されるので、長く働き続ける人にとっては大きなメリットになります。

4. 節税効果が期待できる

第四に節税効果が期待できる点です。ここまで紹介してきた年金制度と同様、付加年金の掛金も所得税と住民税の節税に効果があります。

付加年金の3つのデメリット

  1. 2年未満の年金受給では掛金に損が出る
  2. 60歳から年金を受け取り始める繰上げ受給によって国民年金の受給額と同率の減額をされる
  3. 国民年金基金との併用ができない

第三のデメリット以外はメリットと表裏一体となっているので、2年以上受給するか否か、繰下げ受給をするか繰上げ受給をするかによって、付加年金を利用するか否かは決まってきます。

ちなみに、繰上げ受給の減額率は0.5%×繰上げ請求月から65歳になる月の前月までの月数で計算できます。

付加年金のメリット・デメリット
メリット デメリット
  • 2年以上受給すれば得になる。
  • 少額で老後資金を増やせる。
  • 繰下げ受給で増額が見込める。
  • 節税効果が期待できる。
  • 2年未満の受給では損になる。
  • 繰上げ受給で減額される。
  • 国民年金基金との併用不可。

経営者のための退職金制度「小規模企業共済」

小規模企業共済は個人事業主や会社の役員が自分が退職したときのために加入する共済制度です。

毎月の掛金は1000円から7万円の範囲で500円刻みで設定可能で、受給額は掛金額・加入期間に応じて決まります。

加入資格は「小規模企業の経営者、もしくは役員であること」です。

「小規模企業」の定義は業種によって変わり、例えば建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、従業員数が20人以下と定められています。

小規模企業共済の3つのメリット

1. 受給方法を選べる

第一に退職金のように共済金を一括で受け取る、もしくは年金のように分割で受け取るといった、ライフプランに合わせた受給方法を選べる点です。

2. 掛け金よりも受給額が多くなる場合がある

第二に共済金を請求する理由によっては掛金合計額よりも受給額が多くなる点があげられます。(ただし請求理由によっては逆に元本割れを起こすリスクがあります。)

3. 節税効果が期待できる

第三に節税効果が期待できる点です。ここまで紹介してきた年金制度と同じく、小規模企業共済の掛金も所得税と住民税への節税効果があります。

また小規模企業共済からもらえるお金は年金ではなく、あくまで共済金ですが、年金のように分割で受け取る場合は公的年金と同じ節税制度を利用することもできます。

元本割れを起こすリスクがある

上記2番目のメリットで元本割れのリスクがあると記載しましたが、掛金納付月数が240ヶ月(20年)未満の場合も元本割れを起こします。

この元本割れのリスクこそが、小規模企業共済最大のデメリットです。

ただ前者に関しては、個人的な理由での解約、12ヶ月以上の掛金滞納による解約などに該当しない限り、元本割れの請求理由には該当しません。

したがって注意するべきは後者のデメリットを被らないよう、早い段階で加入しておくという点でしょう。

小規模企業共済のメリット・デメリット
メリット デメリット
  • ライフプランに合わせた受給方法が選べる。
  • 請求理由によっては掛金合計額よりも、受給額が多くなる。
  • 節税効果が期待できる。
  • 掛金額よりも受給額の方が若干多くなる。
  • 場合によっては元本割れのリスクもある。

確定拠出年金の強みは「積極的に増やせる」点

資産を増やす

ここまで3つの年金制度と1つの共済制度を見てきましたが、これらを活用していればわざわざ確定拠出年金に加入する必要はないように思います。

しかしこれら4つの制度全てになく、確定拠出年金にだけある強みがあります。それが「積極的に増やせる」点です。

これまで見てきたどの制度も、個人の意思で掛金を運用し、利回りをコントロールすることはできません。唯一確定拠出年金だけが、投資信託型の商品などの運用によって老後資金を増やせるのです。

これは単に老後資金の残高が大きくなるという話ではありません。国民年金基金のところで見たような受給金額が決まっている制度には、どうしても物価変動リスクに弱いというデメリットがあります。

しかし確定拠出年金のように積極的に運用し、一定の利回りを得られる制度ならば、物価変動リスクにも対応できます。リスク分散という視点からも確定拠出年金には強みがあるのです。

ただそのぶん他の制度よりも、個人が負う責任とリスクは大きくなります。確定拠出年金をリスク資産として考え、それ以外を無リスク資産として考えて運用するなど、全体のバランスを考えた使い分けが必要になるでしょう。

まとめ

国民年金、国民年金基金、付加年金、小規模企業共済について、ポイントを説明してきました。

それぞれにメリット、デメリットがあり、どれがすぐれていると明確に言えるものではありません。確定拠出年金も合わせて、うまくリスクを分散させながら、将来設計をすることが大切です。

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