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確定拠出年金といえども投資ですからリスクはつきものです。そのリスクを軽減の方法として「リバランス」「スイッチング」があります。今回はその定義ややり方、必要な場面などを解説していきます。

確定拠出年金は「買いっぱなし」厳禁

「確定拠出年金は最初に商品をきちんと選びさえすれば、あとはほったらかしでも大丈夫」そんなふうに考えていませんか。残念ながらそれは大きな間違い。

例えばプロが運用する確定拠出年金向け商品でも、安定した運用を行うためには、定期的なチェックとメンテナンスが必要です。

リバランスとスイッチングの違いを理解しよう

リバランス=これからの投資配分の変更

リバランスを端的に表現すると「これからの投資配分の変更」です。

仮に日本株式:日本債券:海外株式:海外債券=25%:25%:25%:25%の割合で確定拠出年金を組んでいたとします。

拠出金額が2万円だった場合、それぞれの月当たり積立金額は5,000円です。

これが運用していく段階で10%:30%:35%:25%に変わったとします。

これを20ヶ月で元の25%:25%:25%:25%に戻すことを想定すると・・・

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  • 日本株式:5,000円 → 12,500円
  • 日本債券:5,000円 → 2,500円
  • 海外株式:5,000円 → 0円
  • 海外債券:5,000円 → 5,000円

このように毎月の投資配分調整することが考えられます。今後の投資配分を調整して元の資産配分に戻していくのがリバランスです。(実際には20ヶ月の間にも配分は崩れるため、実際はこの限りではありません。ここでの解説は、あくまでリバランスの考え方として理解してください。)

スイッチング=これまでの投資の再分配

これからの投資配分の変更を指すリバランスに対して、スイッチングは「これまでの投資の再分配」を意味します。

日本株式:日本債券:海外株式:海外債券=25万円:25万円:25万円:25万円で保有していた資産が、あるとき10万円:30万円:35万円:25万円に変わったとしましょう。

スイッチングはこのような場合に、日本債券30万円から5万円、海外株式35万円から10万円を売却し、そのお金を日本株式10万円に上乗せすることを指します。あるいは同じ資産クラスの中で、商品AからBに切り替えを行う場合もスイッチングと呼びます。

ともに手数料無料、でも売却・解約手数料には注意

リバランスおよびスイッチングの手続き自体はどちらも無料なので、各商品の締め切り前であれば何度でもやり直せます。仮に締め切りを過ぎていても次の締め切りには新しい投資配分や投資の再分配が完了します。しかし注意したいのはスイッチングの際の売却・解約手数料です。

先ほどの例でいえば「日本債券30万円から5万円、海外株式35万円から10万円を売却」の部分にかかってくる手数料です。

保有している商品に「信託財産留保額」「売却時手数料」の設定があれば、売却・解約時はその金額を差し引いた金額が手元に残る金額となります。

ただ売却・解約手数料を設定していない商品も多いので、スイッチングの際のコストが気になるようであれば、あらかじめそういった商品を選ぶようにしましょう。

リバランス&スイッチングは「機械的に」行う

市場の動向に振り回されてはいけない

資産運用を始めた当初は自分の保有している商品の価格が日毎に変動することに、戦々恐々とする人が多いはずです。しかし市場の動きにいちいち反応してリバランスやスイッチングを行なってしまうと、3つの問題が発生します。

売却・解約手数料の問題

第一に売却・解約手数料がかさみます。

例えば信託財産留保額が0.1%に設定されている商品を保有していたとします。確定拠出年金を始めた当初は積立金額も数万円なので、手数料も数十円で済むでしょう。

しかしこれが数十万円、数百万円になれば、手数料も数百円、数千円と増えていきます。むやみにスイッチングを行えばそれだけ老後の資金が目減りしていくのです。

投資の機会を逃す

第二に投資のチャンスを逃してしまうリスクがあります。

市場の動きを完全に予測するのは不可能です。これは商品の「買いどき」を正確に見極めるのも不可能だという意味です。

では仕事のかたわらで資産運用を行う人が、比較的高い確率で買いどきを引き当てるにはどうすればいいのでしょうか。

答えは長期の積立投資です。長期の積立投資には、勝つ可能性の低い駆け引きをせず、機械的に毎月コンスタントな投資することで、結果的に買いどきを引き当てる可能性を高められるというメリットがあるのです。

しかし市場の動向に振り回されて、その都度リバランスやスイッチングを行なっていると、下手な駆け引きが生まれてしまい、長期の積立投資のメリットが享受できません。結果本来は買うべきところを売ってしまって損をする、というようなリスクが生まれるというわけです。

精神的な負担となる

第三に単純な物理的、精神的なコストがかかります。毎日のようにソワソワと株価や指数をチェックし、そのたびにリバランスとスイッチングを行う。

考えただけでも手間と時間がかかりますし、気持ちも疲弊してくるでしょう。「資産運用は疲れるから、もう定期預金にしておこう」という最悪の選択をする可能性さえあります。

以上の3点から市場の動向に振り回されてリバランスやスイッチングを行なってはいけないのです。

リバランス&スイッチングはスケジュールを立てて計画的に

これらの問題を回避するために、リバランスおよびスイッチングはあらかじめ時期を決めて年1〜2回に絞り込むのがセオリーです。

投資の知識や経験が豊富な人は別として、基本的に時期を決めたらその通りに実行しましょう。

数%単位のズレを完璧に修正する必要はありませんが、決めたタイミングで当初設定したアセットアロケーション(資産配分)とかけ離れていないかをチェックし、問題があれば修正するようにします。

リバランス&スイッチングが必要になるのは4つの場面

年1〜2回のチェックのタイミングでリバランスやスイッチングが必要だと判断すべき場面は4つです。

1. 資産のバランスが崩れたとき

第一の場面が「資産のバランスが崩れたとき」です。ただ資産のバランスが崩れるといっても、ある資産の価値が上がったことで崩れる場合と、価格が下がったことで崩れる場合の2パターンがあります。

前者の場合はリバランスもしくはスイッチングを行えば良いだけですが、後者の場合はもう少し考える必要があります。この場合の基本的な選択肢は以下の3つです。

  1. 何もしない。
  2. リバランスによって価格が下がった資産を買い増す。
  3. スイッチングによって価格が下がった資産を売却し、リスクを下げる。

たいていの場合、もっとも有効な選択肢は1の「何もしない」です。

価格が下がったということは、今の価格で買えば次に価格が上がった際に利益が大きくなるということです。こう考えると2の「リバランスによって価格が下がった資産を買い増す」が賢いように思えますが、もちろんそこからさらに価格が下がる可能性もゼロではありません。

したがってリスクを回避するなら1、リスクをとるなら2を選ぶと考えましょう。

つい3の「スイッチングによって価格が下がった資産を売却し、リスクを下げる」を選びたくなる人も多いかもしれません。

しかしこの選択肢は今後もその商品の価格が下がり続けるという確実な見通しがない限り、選ぶ必要はありません。

再び価格が持ち直すのであれば、売却しても特にメリットはないからです。さらに「今後もその商品の価格が下がり続けるという確実な見通し」を得るのは、プロの投資家でも至難の技です。したがって一般の個人投資家が3を選ぶ場面は、基本的にないと考えて問題ありません。

2. 運用商品に「変化」が生じたとき

運用商品における「変化」とは主に手数料の変化、あるいは運用方針の変化を指します。

例えば指数に連動して運用されるインデックス型商品(Exchange Traded Funds、ETF)のうち、TOPIXに連動する商品を保有していたとします。

インデックス型は手数料が低いものを選ぶのが基本的な考え方ですが、運用している間に今の商品よりも低い手数料の商品が登場する場合があります。このようなときにスイッチングによって商品を切り替えるという選択肢が生まれます。

またファンドマネージャーの判断によって運用されるアクティブ型商品を保有している場合は、ファンドマネージャーの変更などによる運用方針の変化が起こり得ます。

これが良い結果をもたらす場合もあれば、悪い結果をもたらす場合もあります。当然悪い結果をもたらす場合はスイッチングが必要です。しかし残念ながら、その判断ができる個人投資家は限られています。

したがって、このような高度な判断が必要なアクティブ型商品は、そもそも保有しないというのも選択肢でしょう。アクティブ型商品はインデックス型商品よりも利回りが高いものが多いですが、その分、手数料やリスクも高くなります。まだ経験が浅いうちは手を出さないのが無難です。

3. 関連制度に改正等があったとき

確定拠出年金に関連する制度に改正等があった場合、自分の資産における確定拠出年金の位置づけにも影響が及びます。

この際に考えるべきは確定拠出年金の中でのリバランスやスイッチングではなく、自分の資産全体における貯蓄や不動産、確定拠出年金以外の投資資産とのリバランス、スイッチングです。

確定拠出年金の最も大きなメリットは拠出金額がそのまま所得税控除につながるほか、運用によって得た利益も非課税である点です。すなわち所得税が増額されるほどメリットは大きくなり、逆に減額されるほどメリットは小さくなります。

また公的年金は今後実質的な支給額が低くなると見て間違いありませんが、現在の受給開始年齢が引き上げられる可能性も十分考えられます。

一方確定拠出年金はあくまで自分のお金なので、老後資金としての確実性は公的年金に比べてはるかに強力であるといえます。こうして考えると公的年金のサポート力の低下は、確定拠出年金のメリットの強化につながると考えることもできます。

こうした確定拠出年金の性質を理解しておき、その特性を生かした資産運用をその都度検討するようにしましょう。

4. 利益を確保したいとき

例えば100万円を確定拠出年金で運用し、1年後に108万円にまで増やしたとしましょう。

この時点で8万円の利益が出ているわけですが、資産運用を続けていればこれが106万円になったり、場合によっては98万円になったりします。

このような状況を回避したい場合には、スイッチングが有効です。すなわち8万円の利益を定期預金などの元本確保型商品にスイッチングするのです。

ただこのスイッチングには問題があります。それは複利を得られない点です。スイッチングを行わずに現状の利回り8%が来年も続いた場合、来年の資産金額は108×1.08=116.64万円となります。利益の総額は16.64万円です。

スイッチングを行なった場合は100×1.08=108万円に元本確保型商品に回したぶんの8万円を加えた16万円なので、スイッチングを行わない方が6,400円利益が大きくなるのです。

リスクをとるか、リターンを取るかは人それぞれですが、利益の確保を目的とするスイッチングにはこうしたデメリットがあるということも知っておきましょう。

リバランス&スイッチングでリスクを安定させよう

日本株式:海外株式=50:50で配分していた確定拠出年金が10:90になってしまえば、リスクのバランスも大幅に崩れてしまいます。

リバランスとスイッチングは、つまるところ運用の過程で崩れたリスクのバランスを安定させることにあるのです。安定した運用をするために、定期的なリバランスとスイッチングをおすすめします。

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