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会社員であれば住民税は毎月の給与から差し引かれて、会社が納めてくれています。でも転職や退職した場合には手続きが必要な場合があります。また、退職金にかかる税金についても一緒に解説します。

住民税の一般的な納付方法

通常の住民税の納付方法ですが、これには大きく2つの方法があります。

  1. 会社員のように給与から天引きされているケース
  2. 自営業者のように自分で納付するケース

自営業者のように自分で納付する場合は年4回の分割払いですが、会社員の場合は毎月の給与から天引きですので、12回の分割払いです。

収入や扶養家族の人数にもよりますが、年間に50万円程度の住民税を払っている人も多いと思います。

12回の分割払いであれば、1回あたり4万円程度ですし、給与天引きならあまりキツイ感じもないと思います。

しかし、自営業者のように4回払いだと、1回あたり12万円ほどになりますので、かなり厳しいと感じるのではないでしょうか。

会社員の人が転職や退職するときには、いきなり大きな税額の請求がいかないように配慮されていますが、場合によっては、一度にまとまった金額の納税をしなければならないこともあります。

なお、納付方法の詳細については、こちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。

転職時の手続きについて

給与担当者は転職者が住んでいる市町村の役所に対して、転職する人の住民税について届出書を提出することになっています。

この届出書は給与所得者の異動届出書と呼びますが、ここに、まだ徴収していない住民税をどのように支払うかを記載することになっているのです。

これまでどおり、転職先の会社でも特別徴収を継続して毎月の給与から住民税を差し引いてもらう場合は、給与担当者にそのように伝えておきます。

その際には次の勤務先の所在地など、詳しい内容を教えておく必要があります。

こうすることで、次の会社でもスムーズに住民税の徴収が可能となります。

退職時の手続きについて

独立するための退職や、定年退職などの場合は、次の就職先が決まっていない人も多いと思います。

この場合は、そのまま給与天引きすることができませんので、まだ徴収されていない住民税を一度にまとめて払うか、普通徴収にして納付書で納めることになります。

退職した時期によって、支払方法は異なります。(この内容は地方税法第321条の5第2項に基づいています。)

6月1日から12月31日までに退職した場合

住民税の給与天引きは6月から翌年の5月までの12ヶ月で行われます。

したがって、6月から12月までに退職した場合は、まだ納付していない税額が多いことになりますので、残りは普通徴収によって、納付書で納めることになります。

ただし、残りの税金を退職金から一度に支払うことも可能です。一括徴収といって、退職する際に会社にそのように伝えれば一度に徴収してくれます。

普通徴収は基本的に、6月、8月、10月、1月の4回払いです。

したがって、退職するのが11月以降だと、1月に全ての金額を支払わなければなりませんので、退職金で支払ってしまった方がいいかもしれません。

1月1日から5月31日までに退職した場合

この場合は、基本的に退職金などから一括で残りの住民税を支払うことになります。

前述のとおり、普通徴収(納付書払い)にした場合でも、1月に一回で納付することになりますので、同じことです。

退職金の住民税と所得税について

転職や退職時の住民税の支払い方法は前述のとおりですが、退職金に対してはどのように住民税がかかるのでしょうか。

実は退職金については、給与などの他の所得とは別にして課税されます。

退職金は一度の大きな金額が支払われますので、支払われた時に所得税と住民税を差し引いた金額が支給されることになっています。

給与のように、翌年度に住民税を課税していては、退職金が残っていないかもしれませんので、すぐに納付するような仕組みになっているのです。

せっかく退職金をもらうのに、たくさん税金が引かれてしまうのではないかと心配になる人もいると思いますが、退職金は通常の給与と比較して、控除額がかなり大きくなり、税金が少なくなるように設計されています。

退職所得は以下のように計算します。

退職所得 = 退職金 − 退職所得控除

そして、退職所得控除は以下のように計算します。

  • 勤続年数が20年以下の場合 40万円×勤続年数
  • 勤続年数が20年超の場合  800万円+70万円×(勤続年数-20)

この計算式によると、勤続年数が20年より多い人は、最低でも800万円の控除があります。30年働いた人は1500万円の控除になります。

このくらい控除額あると、退職金には税金がかからないという人も多いと思います。

退職金が退職所得控除より大きい場合は、退職所得が算出されますので、そこに税率をかけます。

所得税の場合は退職所得の金額に応じて5%から45%、住民税は10%(自治体によって多少異なります。)の税率になります。

仮に、20年間働いた人が900万円の退職金をもらった場合は、以下のようになります。

  • 退職金900万円 − 退職所得控除800万円 = 100万円
  • 所得税 100万円 × 5% = 5万円
  • 住民税 100万円 × 10% = 10万円
  • 合計 15万円

退職金900万円に対して、所得税と住民税の合計が15万円ですので、給与の場合と比較するとかなり安い金額だと思います。

まとめ

転職や退職をするときに税金のことなど考えている時間はないと思いますが、手元に残る金額などを考慮することも大切です。

特に会社をやめて独立される場合は、退職後の1年間は税金や保険料などの変化が大きくなります。

税金も含めてある程度想定しておくといいでしょう。