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相続についてはまずは法定相続人や相続分をしっかりと把握するところからです。土地の相続税評価のこともあり、覚えてしまえば、実生活でも知識を披露できる場があると思います。
主な出題範囲、勉強法のポイントなどを説明します。

相続・事業承継の勉強法・勉強時間について

私は相続や事業承継については、あまり知識がなく、何となく知っているという程度でした。

自分自身に相続が生じたりして、不動産などを引き継いだ経験がある人は、その経験が勉強に生きると思います。

試験内容は不動産やタックスと範囲が被る部分がありますので、一緒に勉強すると時間短縮になります。

試験範囲は広いのですが、パターン化されている問題も多く、そういった問題を確実に解けるようにしておくことが、合格への近道だと思います。

勉強時間としては、相続や事業承継の知識がない人の場合は50時間くらいは確保しておいた方がいいでしょう。

相続・事業承継の頻出分野について

相続・事業承継で主に出題されている内容は以下のようになります。

  1. 民法と相続税における法定相続分
  2. 寄与分・遺留分・特別受益
  3. 養子縁組による相続対策
  4. 相続の放棄・承認、遺贈
  5. 法定後見制度・任意後見制度
  6. 相続税の計算
  7. 相続税の延納・物納
  8. 贈与税の計算、贈与税の特例など
  9. 宅地の評価(自用地・貸家建付地)
  10. ゴルフ会員権・株式の相続税評価
  11. 非居住無制限、制限、非居住無制限納税義務者
  12. 非上場株式の評価(原則・配当還元)
  13. 自社株の株価引下策・中小企業円滑化法

広い範囲の中で、出題された回数が多いものを拾ってみました。

以下にそれぞれのポイントを解説していきます。

1. 民法と相続税における法定相続分

毎回最初の問題で出題されているのが、民法の法定相続分と相続税の法定相続分に関する問題です。

民法と相続税法では、法定相続分に換算の方法が異なるので、その点をしっかりと把握しておく必要があります。

ここで混乱しやすいのが、養子がいるときの法定相続分の計算です。

相続税を計算する上では、法定相続人の人数で基礎控除などが決まってきますので、一定のルールのもとで制限があります。つまり養子を増やしても法定相続人として換算する人数に制限があるのです。

養子には特別養子と普通養子があり、それぞれに特徴があり、法定相続人の人数にも影響してきますので、この辺をしっかりと整理して記憶しておけるかが、重要です。

2. 寄与分・遺留分・特別受益

相続にはいくつもルールがあるのですが、中でも寄与分、遺留分、特別受益は相続において重要ですので、よく出題されます。

  • 寄与分・・・相続人の中の人が、被相続人の療養看護などの特別な配慮をしたとして、相続財産を一定額加算するのが寄与分です。相続人の協議などにより決定します。
  • 遺留分・・相続人が遺留分とは最小限もらえる額のことです。法定相続人の数や親族関係によって金額が異なります。
  • 特別受益・・被相続人の生前に、贈与を受けた人がいる場合、その分も含めて財産分与を行う事になります。その生前に受けた贈与のことを特別受益といいます。

これらは相続税の算定上の金額とは少し異なるところに注意が必要です。

例えば、特別受益は何年でも遡れるのですが、相続税を計算する上では、生前贈与加算は3年前までのものと定められています。

こういった民法と税法の差についても、意識しておく必要があります。

3. 養子縁組による相続対策

法定相続分の計算のところでも記述しましたが、養子によって相続税の金額は変わってきます。

例えば、養子がいない場合は、孫と養子縁組をすることで、基礎控除が600万円増加しますし、生命保険金や退職金などについても、養子が1人増えることで控除額が500万円ずつ増加します。

難しい内容ではないので、相続税の控除額と法定相続人、養子の関係について整理しておきましょう。

4. 相続の放棄・承認、遺贈

相続が開始すると、その相続について「単純承認」、「放棄」、「限定承認」のいずれかを選択することになります。

相続を放棄または限定承認する場合は、3ヶ月以内に家庭裁判所へ申述しなければならず、何もしない場合は単純承認されたことになります。

相続の基本的なことですが、意外に知らない人も多い部分だと思います。私もあまり理解していませんでした。

  • 単純承認・・・財産、負債をすべて相続する
  • 放棄・・財産、負債をすべて相続しない
  • 限定承認・・相続人から引き継いだ財産の範囲内で負債を相続する

また、遺贈とは、遺言で財産を他人に提供することです。

遺贈には、包括遺贈と特定遺贈があり、通常の相続との関係で混乱する部分もあります。

包括遺贈は、財産の割合(全財産の1/3など)を・・へ遺贈するというもので、相続をするかしないか、相続人と同一の承認や放棄をしなければいけません。

特定遺贈とは、財産の特定の一部を遺贈するというもので、その承認や放棄はいつでもすることができます。

この違いだけでも、割と出題されますので、しっかりと把握しておきましょう。

5. 法定後見制度・任意後見制度

成年後見制度は、認知症や知的障害などで判断や意思能力が十分でない状態の人を支援して、権利を守る制度です。

法定後見制度には、後見、補佐、補助の3つの分類があり、申し立てによって成年後見人、補佐人、補助人を選任します。

それぞれの保護者の権利が決まっていて、そういった点などに留意してください。

また、任意後見制度は、自分が将来判断や意思能力が十分でなくなる場合に備えて、あらかじめ後見人を選任しておく制度です。

任意後見制度は公正証書によらなければならない点など、こちらも特徴がありますので、法定後見人とあわせて、比較して特徴を覚えておきます。

6.相続税の計算

相続税の計算も基本問題として必ず出題されます。

相続税の計算には順番があります。

  1. 人ごとの課税価格の計算(生命保険、退職金、債務控除、生前贈与加算など)
  2. 1を合計する
  3. 基礎控除額を計算して控除する
  4. 3の金額を人ごとに振り分ける
  5. 人ごとに税率を乗じて、その金額を合計する
  6. 5の金額を人ごとに振り分ける
  7. 人ごとに加算(2割加算)や控除(配偶者控除、障害者控除など)を行う。

ざっくりですが、このような手順を踏むことで、相続税の金額が算定されます。

最初から最後までを全部計算するという問題が出題されることはないと思いますが、途中の過程が複数の問題で出題されます。

見てのとおりですが、人単位の計算と合計を何度か繰り返しますので、まぎらわしいです。

過去問を解きながら、全体の流れもしっかりと頭に入れて、どの過程の問題を解いているのかを理解すると解答しやすくなります。

7.相続税の延納・物納

相続税には延納や物納が認められています。

特に高額の不動産を相続した場合は、現金がなければ支払うことができませんので、物納などの制度があるというわけです。

延納と物納は制度が似ていますので、比較表などを作るといいと思います。例えば私が作ったのは以下の内容です。

延納 物納
要件 ・税額が10万円超
・担保提供(100万円以下、3年以内の延納期間は不要)
・延納でも納付困難
・相続税の課税対象資産(相続時精算課税は除く)
期間 ・5年〜20年(立木など特別なものは40年)
・課税財産の不動産割合により異なる(延長期間、利子税の割合ともに)
・担保が不適格の場合、20日以内に担保変更の書類を提出する。(提出しないと却下)
・担保提供書類を提出できない場合、1回につき3ヶ月、最長6ヶ月まで提出を延長できる。(税務署長への届けが必要)
・物納申請した財産が不適格の場合、20日以内に1回だけ再申請できる。
・物納関係書類を提出できない場合、1回につき3ヶ月、再延長でプラス3ヶ月(最長6ヶ月)まで提出を延長できる。(税務署長への届けが必要)
・未分割、遺留分減殺請求の財産は物納財産にならない。
・制限納税義務者でも一定の要件を満たせば、物納できる。
・延納が困難になったときの特定物納の財産の価額は、特定物納申請書を提出した時点の価額となる。

自分なりにまとめていくといいと思います。

8. 贈与税の計算、贈与税の特例など

贈与税の計算は相続税と違って、簡単です。

基礎控除は一律で110万円ですので、基本的には以下の式で算出できます。

贈与税 = (課税価格 − 110万円)× 税率

ただし、課税価格には特例がいくつかあります。

中でも、頻出なのが「直系尊属から贈与を受けた場合の特例」で、自分が住むための家を取得した場合には、消費税が8%の場合、1200万円までは非課税となります。

また、贈与税の税率については、二通りの税率表があり、一般贈与と特例贈与があります。

  • 一般贈与・・特例贈与以外
  • 特例贈与・・贈与年の1/1時点で20歳以上の人が直系尊属から贈与を受けた場合

祖父母と兄弟から贈与を受けた場合など、両方の対象となる場合の計算は頻出です。

ひっかけ問題として出題されるのが、贈与を受ける人がギリギリ20歳になっていない場合などです。

もう一つ頻出なのが、以下の2つです。

  • 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
  • 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置

いくらまで非課税なのか、細かい用途はどうなっているのか、贈与した人が死んだらどうなるのかなど、ポイントは決まっていますし、わりと頭に入りやすいので、しっかりと押さえておきましょう

9. 宅地の評価(自用地・貸家建付地)

土地の評価の問題も頻出問題です。

特に自用地と貸家建付地はよく出題されています。

自用地は自分で使っている土地で、貸家建付地とは自分の土地にアパートを立てて貸しているような状態です。

貸家建付地は計算式がありますので、これだけはしっかりと覚えてしまいましょう。

貸家建付地の評価額 = 自用地評価額 × (1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)

この問題が出たら、あまり深く考えず式に当てはめて答えをだすようにしましょう。考えると少しこんがらがる部分がありますが、式に当てはめれば、難しい問題ではありません。

10. ゴルフ会員権・株式の相続税評価

ゴルフ会員権の評価や株式の評価も毎回出ている問題と言っていいでしょう。

とても簡単に解答できる問題ですので、過去問でしっかりとパターンを把握しましょう。

11. 非居住無制限、制限、非居住無制限納税義務者

問題としてよくあるパターンが以下のようなものになります。

  • 被相続人が海外で死亡
  • 配偶者と複数の子が相続人
  • 配偶者と子は国籍や居住地が国内外に散らばっている
  • 相続人それぞれの相続税対象資産の金額を計算する

相続人ごとに問題がわかれていますので、しっかりと把握できていれば、それだけで3問程度は解答できることになります。

非居住無制限納税義務者、制限納税義務者、非居住無制限納税義務者の区別ができて、それぞれの債務控除を理解できていれば問題ありません。

12. 非上場株式の評価(原則・配当還元)

同族の小さな会社で上場していない株式を子などの親族へ相続する場合の、株式の評価を行う問題です。

株式の評価方法は原則的方法と配当還元法の2種類があります。

配当還元法では式が与えられていますので、その式に基づいて解答をしていきます。

原則的方法では式が与えられませんので、覚えておく必要があります。

難しい式ではない上に、問題はパターン化していますので、過去問で把握できると思います。

13. 自社株の株価引下策・中小企業円滑化法

自社株式の評価を下げて相続税を節税する場合に、どういう手法をとったらいいかという問題がよく出ます。

似たような項目があったりして、こんがらがりますので、自分なりにまとめておくといいと思います。

私は以下のような感じでまとめていました。

類似批准引き下げ 純資産引き下げ
定期保険で全額損金算入
土地建物取得(3年後から効果)
不良在庫廃棄
貸倒引当金の繰り入れ
退職金支払い
記念配当

また、中小企業円滑化法は法改正などもありましたので、出題されやすい部分だと思います。

中でも、「遺留分に関する民法の特例」、「非上場株式の相続税の納税猶予の特例」は頻出で、納税猶予の対象株式の制限は2018年4月以降に施行される部分がありますので、要チェックです。

法改正事項は過去問では把握できませんので、過去問で出題されたものについて法改正があるものについては、きちんと把握しておきましょう。

相続・事業承継で注意する点

相続関係は近年法改正が多い部分でもあります。

特に2018年7月の改正事項は大きく、以下のような内容が改正されました。

  • 配偶者の居住権を創設
  • 結婚期間が20年以上の場合は、配偶者が受けた生前贈与分などが遺産分割の対象とならず、そのまま配偶者の資産となる。
  • 自筆証書遺言の財産目録については、パソコンなどでの作成を認める。

この他にも改正点はありますが、自筆の遺言に関する部分は2019年の前半には施行されると思います。

その他も順次施行されていいきますので、注意しておきましょう。

こちらは法務局の作成した改正概要になります。

【参考】相続法改正の概要について(法務省)

試験時間はあまる?

相続・事業承継の問題は計算問題があまりないので、基本となる定番問題さえできていれば、残りの問題は知識だけですので時間は十分に余ると思います。

ちょっとあやふやな解答をした問題にはチェックをつけておいて、後で見返すようにしましょう。

これまでの試験の合格ライン

合格ライン(50問中)
2018年度6月 33問
2017年度11月 32問
2017年度6月 28問
2016年度11月 30問
2016年度6月 33問

※日本FP協会HPより

まとめ

相続・事業承継の試験は、誰もが遭遇する相続の問題ですので、わりと興味がわきやすいように思います。

自分だったらどうなるとか、そういったことも考えながら、興味を持てば記憶にも残りやすくなります。

法改正もしっかりと踏まえながら、勉強するといいでしょう。

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