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ふるさと納税は2000円で誰もが得する制度ではありません。きちんと理解していないと、税金が控除されず「損した!」なんてことも。特に専業主婦は注意が必要です。今回は、ふるさと納税のデメリットや注意点をお知らせします。

納税者でなければ節税にならない!

ふるさと納税は寄付をすることによって、所得税・住民税の寄付金控除の対象となります。

つまり、専業主婦や学生などで収入がなく、所得税や住民税が課税されていない人(または少ない人)の場合、自治体に寄付を行っただけで、税金からの控除はありません。

もちろん、サラリーマンの夫はふるさと納税ができるのですが、忙しくてあまり興味を持ってくれないということもよくあります。

妻が夫の代理で手続きをすることもできますが、やり方には注意が必要です。その点も含めて以下に説明していきます。

ふるさと納税の上限額に注意

ふるさと納税は2000円を除く全額が寄付金控除の対象となり、実質2000円で様々な特産品がもらえる、寄付をすればするほどお得な制度のような印象がありますが、そうではありません。

寄付金控除には上限があり、収入などによって異なります。

細かな計算方法は省きますが、住民税のおよそ2割と考えてください。

サラリーマンが簡単に住民税の額を確認する手段としては、以下の2つの方法があります。

  • 毎年6月頃に会社で配られる細長い用紙(個人住民税の税額決定通知書)
  • 給料から天引きされている住民税額の12倍(給与明細で確認)

ただし、この金額は昨年の収入に対する税金です。

今年のふるさと納税が控除されるのは、来年の税金ですので、それは来年にならないとわかりません。

昨年と今年で収入が大きく減っていなければ、この金額の2割が上限と考えていいでしょう。(実際にふるさと納税をするときには、少し余裕をみるようにしてください。)

寄付金控除の上限はシミュレーションも活用しよう

寄付金控除額の上限は控除対象の年の収入を基準に計算されますが、収入が同じでも各々の家族構成(扶養家族の人数等)で住民税の額は異なります。

自分でふるさと納税の寄付額を正確に算出するのは至難の業です。

総務省や自治体のふるさと納税サイト等で、大まかな寄付金額を算出する計算システム等が用意されていますので、参考にしてみてください。

総務省のふるさと納税のページ

さとふる(控除額のシミュレーション)

とはいっても結局は見込みで寄付をする

シミュレーションなどで大まかに金額がわかったとしても、やはり見込みでふるさと納税をするしかありません。

税金は1月から12月の収入などを基準にしますので、年末に近くなれば、来年の税金の額が予想以上に変化することも少ないと思います。

したがって、年末にふるさと納税の見込み額を計算するのが、おすすめです。

ただし、返礼品はすぐに現品を送ってもらうのではなく、ポイント制などで返礼品の送付時期を選べるものを利用するといいでしょう。

年に1度しか返礼品をもらえない自治体もある

自治体によっては、複数回寄付をしても、返礼品は一度しか送付しないというところもあります。

返礼品の送付は義務ではありませんので、それぞれの自治体のルールを確認する必要があります。

専業主婦は寄付の名義に注意

専業主婦の注意点

ふるさと納税のサイトや楽天など、自分が会員であるために寄付の名義を専業主婦である自分にしてしまう人がかなり多くいます。

この場合、専業主婦である自分には税金がかかっていませんので控除はありません。

収入がある人の名義で寄付をするようにしてください。

間違って自分の名義で寄付をしてしまったら?

名義はどうだったけ?と思った人は、寄付先の自治体から送付されてくる領収書の名義を確認してください。

この名義に基づいて、税金から寄附金控除がされることになります。

名義を間違えてしまった場合は、ただちに次のことをしてください。

  • 寄付先の自治体へ連絡する。
  • 名義を間違えたことを伝えて訂正してもらう。

これで、通常は新しい領収書を送ってきてくれます。

特にワンストップ特例の名義については、送る際に注意してください。

ふるさと納税をした翌年になってから気づいたら?

名義を間違えたことに気づいたのが翌年になってから・・・という場合など、領収書の名義を変更してもらうのは難しいことのあります。

この場合は、住民税が課税される市町村(自分の住んでいる市町村)の住民税の担当部署へ連絡しましょう。

これまでにふるさと納税をしたときの領収書をすべて手元において、すべて一緒に確認するといいでしょう。(メールよりも電話の方がスムーズです。)

法令上、厳密には訂正が難しいものでも、通常は対応してくれます。

節税効果は後からやってくる

ふるさと納税をした分の税金が控除されるのは、翌年の税金です。

所得税の場合、確定申告で所得税の還付を申請する場合は、対象となる年の翌年の確定申告後約2~3か月で還付されます。(e-taxを使えば早いと半月ほどで還付)

ワンストップ特例制度を使う場合は住民税のみが減額されますので、節税効果は翌年の6月以降にようやく現れてきます。

ふるさと納税はお得だといわれていますが、先に寄付という形でお金を出して、節税効果は後からやってくるシステムであることを念頭に置いておいてください。

納税手続きが煩雑な場合がある

ふるさと納税は納税方法にも注意が必要です。

クレジット払いができるものがほとんどですが、金融機関からの振込しか受け付けていない自治体もあります。

寄付を申し込んだものの、支払いに手間がかかる場合がありますので、その点も含めて確認するといいでしょう。

全ての自治体が返礼品を用意しているわけではない

役所

自治体に対する寄付金を税金から控除する制度は以前からあるのですが、「ふるさと納税」として現在のように寄付金のほとんどの額を控除できるようになったのは、わりと最近です。

もともとは、応援したい自治体(自分の生まれた町など)に納税するという制度なので、返礼品に関係なく、自治体に寄付することで、その分は自分の税金か控除されます。

そういう背景もあって、中には返礼品がない自治体もあります。

返礼品だけでなく、自分の考え方をもって寄付をするのもいいと思います。(返礼品を辞退することもできます。)

まとめ

ふるさと納税のデメリットや注意点について見てきました。

中でも、寄付をした翌年の税金から控除されるというのは、イメージしづらいと思います。

また、専業主婦の方は寄付の名義に注意しなければなりません。

デメリットや注意点も意識しながら、制度を活用してください。