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確定拠出年金(iDeCo)を始めるにあたっては、自分の資産をどういった商品に投資するかを決めなければなりません。それにはリスク分散の考え方が不可欠です。
ここでは、資産や具体的な銘柄の配分(ポートフォリオ)について説明しますので、参考にしてください。

確定拠出年金における銘柄構成=ポートフォリオを考えよう

ポートフォリオ

確定拠出年金はうまく運用すれば、老後の心強い味方になってくれます。

しかし商品の選び方によっては、1つの金融商品にせっかく積み立てたお金をつぎ込むやり方は、リスク管理の観点から安全とはいえません。

大事な年金資産を目減りさせないためには、物価や世界情勢の変動に対しても柔軟に対応できる銘柄構成=ポートフォリオを作る必要があります。

ここではポートフォリオの役割や商品タイプ別・年代別の考え方など、様々な観点からポートフォリオを解説します。

確定拠出年金のリスクとリターンは「ポートフォリオ」が決める

「アセットアロケーション=資産配分」と「ポートフォリオ=銘柄構成」

確定拠出年金の商品を選ぶ際に重要なものは以下のものです。

商品選びに欠かせない2つの事項

  • アセットアロケーション=資産配分
  • ポートフォリオ=銘柄構成

アセットアロケーションで決定するのは「どの資産クラスの商品をどれだけ買うか」です。資産クラスとは投資対象をグループ化したものを指します。例えば以下のような分類があります。

  • 株式と債券
  • 国内株式と国内債券、海外株式と海外債券
  • 国内株式と国内債券、新興国株式と新興国債券、先進国株式と先進国債券など

アセットアロケーションの分類に決まったルールはなく、場合によっては海外の資産を国別に分けることもあります。

ここでは為替による変動を考慮に入れた「国内株式と国内債券、海外株式と海外債券」の分類をメインに扱います。

この4つの分類を例えば国内株式25%:国内債券25%:海外株式25%:海外債券25%のように配分することをアセットアロケーション=資産配分と呼びます。

このアセットアロケーションで決めた配分をより具体的な銘柄に落とし込んでいくのがポートフォリオです。

  • アセットアロケーション・・・国内株式、海外株式など大きな分類の配分
  • ポートフォリオ・・・具体的な銘柄の構成

例えば楽天証券の確定拠出年金の商品から、国内株式25%:国内債券25%:海外株式25%:海外債券25%のように配分することをアセットアロケーションに則ってポートフォリオを作った場合、次のようなケースが考えられます。

国内株式:国内債券:海外株式:海外債券を25%ずつのポートフォリオの例

  • 三井住友・DC日本株式インデックスファンドS(国内株式)25%
  • たわらノーロード国内債券(国内債券)25%
  • たわらノーロード 先進国株式(海外株式)25%
  • たわらノーロード先進国債券(海外債券)25%

まずはこのアセットアロケーションとポートフォリオの関係を理解しておきましょう。

アセットアロケーションとポートフォリオのリスク分散効果

リスク分散

一見すると資産を分散させるのは、商品を選ぶ手間やメンテナンスの手間が増えて面倒そうです。なぜアセットアロケーションやポートフォリオを行わなければならないのでしょうか。その答えは「リスク分散のため」です。

仮に国内株式だけに100%の資産をつぎ込んだとします。当然ポートフォリオも国内株式だけになるため、例えば「三井住友・DC日本株式インデックスファンドS」だけという状態です。

ここで突如日本経済が急激に悪化し、日本企業の株価が暴落したとしましょう。するとそれにしたがって資産の価値も暴落してしまいます。

これに対して前述のように4つの資産クラスに均等にアセットアロケーションを行なってポートフォリオを組んだとします。

仮に海外株式と海外債券が日本経済の影響を受けないとすると、この2つの資産クラスに属する銘柄は、株価の暴落が起きても無事です(実際には日本経済は世界経済に影響力があります)。

また株価と債券は基本的に反対の値動きをします。そのため株価が暴落して日本株式の銘柄の価値が下がっても、日本債券の銘柄の価値がある程度上がるのです。結果資産の目減りを最小限に防ぐことができる、というわけです。

これがアセットアロケーションとポートフォリオの持つリスク分散効果です。

商品タイプ別リスク&リターンのバランス

バランス

アセットアロケーションのリスク&リターンは「株式」と「債券」で考える

アセットアロケーションとポートフォリオの役割を理解したら、次は商品タイプそれぞれのリスクとリターンを知っておきましょう。

アセットアロケーションの最もシンプルな分類は株式と債券の2分類で、リスクとリターンのバランスもこの2つでざっくり分けられます。すなわち比較的ハイリスクハイリターンなのが株式、ローリスクローリターンなのが債券です。

国内株式と海外株式、国内債券と海外債券の4つに分けても、リスクとリターンのバランスに大きな違いはありません。海外株式は国内・海外債券よりもハイリスクハイリターンですし、国内債券は国内・海外株式よりもローリスクローリターンです。そのため国内と海外の配分方法には様々な考え方があります。ここではそのうちの一つを説明します。

ポートフォリオのリスク&リターンは3つのタイプで考える

実際に銘柄を選ぶポートフォリオ作りの段階に入ると、アセットアロケーションよりもやや話が複雑になります。以下では3つの銘柄のタイプの性質とリスク&リターンのバランスを見ておきましょう。

1. インデックス型

インデックス型は日経平均やTOPIX、ダウ平均など各指標に連動して、自動的に売買を行う商品です。

楽天証券の確定拠出年金商品でいえば「三井住友・DC日本株式インデックスファンドS」や「たわらノーロード日経225」「インデックスファンド海外新興国(エマージング)株式」などが該当します。

ファンドからすればあまり手間がかからないため、手数料が安いという特徴があります。連動している指標の株価が暴落すれば、それに連動して資産価値も暴落しますが、人為的なミスが介在しないという強みもあり、リスクとリターンのバランスが良いタイプといえます。

2. アクティブ型

アクティブ型はそれぞれのファンドマネージャーが銘柄を見極め、最も収益性の高い売買を行う商品です。

楽天証券の確定拠出年金商品でいえば「iTrust日本株式」「セゾン資産形成の達人ファンド」「ラッセル・インベストメント外国株式ファンド(DC向け)」などが該当します。

その名の通りアクティブに収益を狙っていくため、リターンが大きいぶんリスクも大きくなります。ただし単純に指標に連動してしまうインデックス型に比べ、ファンドマネージャーの腕次第でリスク回避ができるという強みもあるため、一概にリスクが高いとは言い切れない側面もあります。

3. バランス型

バランス型は1本で複数の資産(国内株式・国内債券・海外株式・海外債券など)に投資できる商品です。

端的にいえばアセットアロケーションをファンド側が行ってくれる商品です。楽天証券の確定拠出年金商品でいえば「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」や「三井住友・DC世界バランスファンド(動的配分型)」などが該当します。

インデックス型に比べてファンド側の手間が増えるためそのぶん手数料は高くなりますが、株式と債券のバランスなどに頭を悩ませなくても良いというメリットがあります。

まとめると以下のようになります。

インデックス型 アクティブ型 バランス型
リスク 低め 大きめ 低め
リターン 小さめ 大きめ 小さめ
手数料 低い 高い 高い
備考 手数料が安く、バランス良い。 リスク、リターンなどファンドマネージャーしだい。 1本だけでリスクバランスなどを考慮してくれる。

リスク分散のためのアセットアロケーションとポートフォリオが必要になるのは、リスク分散をファンドがやってくれるバランス型以外を買うときです。

以下ではその際のアセットアロケーションとポートフォリオの考え方を見ていきましょう。

年代別アセットアロケーション&ポートフォリオの「正しい」考え方

年代別

「おすすめポートフォリオ」には注意が必要

まずは年代別のアセットアロケーションとポートフォリオの考え方を解説していきますが、最初に「おすすめポートフォリオ」についての注意点を指摘しておきます。

確定拠出年金の商品というのは5年後10年後と時間が経つにつれて全く性質が変わってしまいます。

したがって現時点でおすすめだったポートフォリオも、経済や情勢の変化、あるいはファンドの方針や担当者の入れ替えによって、全くおすすめできないポートフォリオになる可能性があるのです。

したがってここでは「おすすめポートフォリオ」を提示しません。

その代わり、比較的変動の少ないアセットアロケーションについての考え方を2種類紹介しておきます。

アセットアロケーションを「3つの世代と3つのタイプ」で分ける

証券アナリスト歴15年、資産運用歴15年の投資教室家、岡本和久さんは著書『自分でやさしく殖やせる確定拠出年金 最良の運用』の中で、アセットアロケーションを3つの世代と3つのタイプに分けて考えています。

  1. 50代半ばまで:積極型(株式:8割、債券:2割)
  2. 50代半ば〜70歳:成長型(株式:5割、債券:5割)
  3. 70歳以降:安定型(株式:2割、債券:8割)

引用:前掲書p128

「20代、30代、40代、50代と年齢を重ねるにつれてリスクの高い株式の比率を下げて、債権の比率を上げていく」という考え方が一般的です。

しかし現在の平均寿命の伸びを考慮に入れると、老後の必要資金が予想外に増えることや長期のインフレによる資産の実質的な目減りに備えて、リスクの高い株式の比率は相対的に高く設定するべきだとしています。

中でも多くを占める株式の割合はどのようなものが理想なのでしょうか。

岡本さんはこれを「日本株1:日本以外の先進国株8:新興国株1」としています。

根拠は時価総額加重、すなわち各国の市場規模を示す時価総額の世界に対する割合にしたがって国別のアセットロケーションを行うという考え方です。

この考え方に基づいて株式のアセットロケーションを計算すると、おおよそ「日本株1:日本以外の先進国株8:新興国株1」となるのです。

一方、残りの債券は公社債投資信託を基本として、物価連動型国債を保有するファンドを一部組み入れるやり方をすすめています。

最もシンプルなアセットアロケーションの考え方

資産運用の専門家で、楽天証券経済研究所客員研究員の山崎元さんが、著書『確定拠出年金の教科書』の中で紹介しているアセットロケーションの考え方は非常にシンプルです。

  • 株式10:債券0
  • 国内株式5:海外株式5

まず「株式10:債券0」の根拠ですが、第一に山崎さんは海外債券について「当面、投資する必要はない」(引用:前掲書p103)としています。

理由としては為替変動リスクがある割にリターンが少ないということ、仮に円安になったとしても国内外株式の値上がりで十分リターンが期待できることを挙げています。

第二に国内債券については「投資したい状況ではなくなっている」(引用:前掲書p106)と指摘したうえで、リスクを抑えるという意味では一般の課税口座での「個人向け国債・変動金利型10年満期」の保有が妥当だと指摘しています。

「国内株式5:海外株式5」については「機関投資家が使う機体投資収益率とリスクの前提条件から計算したもの」と説明しているだけで、残念ながら詳細な解説はされていません。

ただ岡本さんのアセットロケーションよりもシンプルなので、自分でポートフォリオを作る際の手間やメンテナンスの手間などをできるだけ省きたいという人には、山崎さんの考え方が適しているでしょう。

アセットロケーションとポートフォリオは確定拠出年金に必須

資産クラスの配分を考えるアセットロケーションと、銘柄の構成を考えるポートフォリオ。どちらも確定拠出年金によって資産形成をするには、必要不可欠な作業です。

ここではアセットロケーションの考え方について2種類の方法を紹介しましたが、他にも様々な考え方があります。

ここで紹介した方法を取り入れるもよし、他の方法を探すもよし。最終的に自分が納得のいく考え方でアセットロケーションとポートフォリオを作るようにしましょう。

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